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暗順応


暗順応とは

明るい場所から急に暗い場所にいくと、最初は真っ暗で何も見えないが、だんだん目が慣れて見えるようになる、という現象を体験したことはないだろうか。そのような現象を、暗順応という。 290553A9097945B89B11A96CF32331B2.jpeg

体験したことがない人は、一度明るい部屋から暗い部屋に移動してみよう!

暗順応はなぜ起こる?

暗い場所でだんだんものが見えるようになるのは、だんだん眼の感度が上がるから

もう少し具体的に言うと、暗い場所では網膜で光を受容する視細胞の感度が上がるのが、原因なのである。

暗順応について、高校生物では、

  • いつどの視細胞がはたらくのか
  • 視細胞の感度が上がるしくみ

をしっかり理解しておこう!

いつどの視細胞がはたらくの?

視細胞には、

  • 明暗と色を感知する「錐体細胞
  • 明暗のみを感知する「桿体細胞

の2種類がある。

視細胞は2種類とも、暗くなると感度が上がる

明るい場所では、主に錐体細胞がはたらいている。そのため、明るい場所から暗い場所に移動した直後には、まず明るいときにはたらいていた錐体細胞の感度が徐々に上がる

そして10分ほど経過すると、今度は桿体細胞の感度が大きく上がる。この時の桿体細胞の感度は、錐体細胞よりも高くなるため、桿体細胞が中心にはたらくようになる

このように暗所で感度が徐々に上がる様子は、以下のような、 やっと感じられる明るさの閾値が低下する図 で表されることが多い。 スクリーンショット 462.png

この図から、時間が経つほどやっと感知できる光の強さが低下する、つまり、弱い光が見えるようになっていくことが読み取れる。また、2つの曲線が組み合わさっているが、この左の曲線が錐体細胞のはたらき、右の曲線が桿体細胞のはたらきによるものになっている。

よって、暗順応が起こるとき、始めは錐体細胞の感度が上がり次にさらに桿体細胞の感度が上がり桿体細胞が中心にはたらくようになるということを覚えておこう。

感度が上がるしくみ

では次に、桿体細胞がどのようにして感度を上げるのか見ていこう。

桿体細胞には、「ロドプシン」と呼ばれる物質が含まれている。

ロドプシンは光を受容する物質で、このロドプシンが多いほど桿体細胞の感度が上がり、弱い光でも感知できるようになるのである。 スクリーンショット 460.png ロドプシンは、オプシンと呼ばれるたんぱく質にレチナールという物質が結合した構造になっている。

レチナールは、光を吸収すると形が変わり、オプシンから離れてしまう。そのため、明るい場所では、多くの光を吸収するのでロドプシンが減少し、桿体細胞の感度は下がる

一方暗所では、レチナールが再びオプシンと結合してロドプシンが合成されるので、だんだんロドプシンが合成され、蓄積されていき、桿体細胞の感度は上がる

スクリーンショット 461.png

つまり、暗い場所に入るとロドプシンが合成されて増えるため、眼の感度が上がるのだ。

これが、暗順応のしくみなのである。

ちなみに

逆に、暗い場所から急に明るい場所にいくと、最初はまぶしくて物が見えにくいが、時間がたつとまぶしくなくなる。 5B52296BF4F3479EABFED46F991C083F.jpeg この暗順応と逆の現象のことを、明順応と言う。

暗順応と明順応について、動画で学びたい人は、 「おうち生物 暗順応と明順応」をチェック!

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