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日本文学史マスターへの道【付録】⑤『古今和歌集』代表歌人


《六歌仙時代》

〔六歌仙〕

僧正遍昭(そうじょうへんじょう)

440pxSanjūrokkasengaku__8__Kanō_Tan’yū__Sōjō_Henjō.jpg 〔僧正遍昭(狩野探幽『三十六歌仙額』)〕

  • 俗名:良岑宗貞(よしみねのむねさだ)

  • 桓武天皇の孫、仁明天皇に仕え、仁明天皇の死により出家し、天台宗の高僧となる。

  • 軽妙洒脱で知的な歌風

在原業平(ありわらのなりひら)

Sanjūrokkasengaku__7__Kanō_Tan’yū__Ariwara_no_Narihira_Ason.jpg 〔在原 業平〕

  • 平城天皇の皇子である阿保親王の子で、『伊勢物語』の主人公かと疑われている。

  • 漢学は十分でなかったが、和歌の才能を発揮。

  • 表現技法に優れ、情熱的な歌風

文屋康秀(ぶんやのやすひで)

Hyakuninisshu_022.jpg 〔文屋康秀(百人一首より)〕

  • 文琳とも言われ、小野小町を誘っているということもあるらしい?

喜撰法師(きせんほうし)

Hyakuninisshu_008.jpg 〔喜撰法師(百人一首より)〕

  • 「我が庵は京都の巽しかぞ〜」の歌1首のみ『古今和歌集』に載る。

  • 歌人としての評価は高くなかったらしい。

小野小町(おののこまち)

440pxSuzuki_Harunobu__The_Poetess_Ono_no_Komachi__1925.2046__Art_Institute_of_Chicago.jpg 〔小野小町(鈴木春信画)〕

  • 出自・履歴は不明な点が多いが、絶世の美女として伝説化されている。

  • 情熱的な恋の歌が多く、『古今和歌集』を代表とする女流歌人。

大友黒主(おおとものくろぬし)

Rokkasenzu.jpg 〔大友(大伴)黒主〕

  • 弘文天皇の末裔で、近江国の豪族。

  • 光孝・醍醐両天皇の大嘗会の歌を詠んだ。

〔そのほか〕

在原行平(ありわらのゆきひら)

400pxAriwara_no_Yukihira.jpg 〔在原行平像〕

  • 平城天皇の皇子である阿保親王の子で、在原業平の異母兄にあたる。

  • 現存最古の歌合『在民部卿家歌合』を主催した。

藤原敏行(ふじわらのとしゆき)

400pxSanjūrokkasengaku__17__Kanō_Naonobu__Fujiwara_no_Toshiyuki_Asomi.jpg 〔藤原敏行(狩野尚信『三十六歌仙額』)〕

  • 書にも優れており、能書家としても知られる。

大江千里(おおえのちさと)

Hyakuninisshu_023.jpg 〔大江千里(百人一首より)〕

  • 漢学者でもあり、家集『句題和歌』がある。

  • 『句題和歌』は「千里集」とも言われ、白居易などの唐代詩人の詩句を翻訳した和歌から成る。

《撰者時代》

〔撰者〕

紀友則(きのとものり)

Hyakuninisshu_033.jpg 〔紀友則(百人一首より)〕

  • 紀貫之の従兄弟で、儒学の学識によって宇多天皇・醍醐天皇に仕えた。

  • 紀貫之よりも早くに頭角を表したが、『古今和歌集』完成を前にして、死去。

  • 格調のある穏健、流麗・優美な歌風

紀貫之(きのつらゆき)

Ki_no_Tsurayuki.jpg 〔紀貫之(菊池容斎画『前賢故実』)〕

  • 仮名序を作成し、和歌の復興を高らかに宣言し、『土佐日記』も執筆した。

  • 見立て技法などに基づく理知的な歌風

    →古今集時代の和歌表現を方向付けることになる

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

Hyakuninisshu_029.jpg 〔凡河内躬恒(百人一首より)〕

  • 身分が低く、地方官を転々としたらしい。

  • 和歌の才能には優れており、紀貫之と並称された。また、書の才能もあったらしい。

  • 機知的でやや奔放な歌風

壬生忠岑(みぶのただみね)

壬生忠峯.jpg 〔壬生忠岑(菊池容斎画『前賢故実』)〕

  • 凡河内躬恒と同様に身分は低かったが、歌才を発揮した。

  • 紀貫之とは別に仮名序を作成した。

  • 紀貫之や凡河内躬恒に比べると、穏やかなで温和な歌風である。

  • 子の壬生忠見(みぶのただみ)も有名な歌人。

〔そのほか〕

素性法師(そせいほうし)

440pxSanjūrokkasengaku__9__Kanō_Tan’yū__Sosei_Hōshi.jpg 〔素性法師(狩野探幽『三十六歌仙額』)〕

  • 俗名:良岑玄利(よしみねのはるとし)

  • 僧正遍昭の子で、若くから和歌を嗜み、僧の身でありつつも宇多天皇・醍醐天皇の時代に歌人として活躍。

  • 移りゆく自然への執心を歌った季節詠に特徴がある。

  • 機知的で軽妙な歌風

    →撰者時代の作風を先取りするもの

在原元方(ありわらのもとかた)

  • 在原業平の孫。

伊勢(いせ)

560pxISE_Satake36poets.jpg 〔佐竹本三十六歌仙絵巻より〕

  • 宇多天皇の更衣として、寵愛を受けた。子の中務も有名歌人。

  • 『古今和歌集』では、小野小町と並んで有名な女流歌人。家集『伊勢集』がある。

  • 女流唯一の晴(非日常・公的・聖)の歌の作者。

    *晴の対概念として「褻」(日常・私的・俗)がある。

  • 情熱的な歌風

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