難民
簡単なまとめ
国内での迫害を恐れ、外国に逃れた人々。
また、国内の別の場所で避難生活を行っている人々を国内避難民という。
戦乱や政治的な迫害が起こっている国で発生数が多い。
近年の動向は、UNHCRホームページを参照。
定義
国連では、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」と定義されています。
要は、「国内にいると危険だから外国に逃げてきた人々」ということです。
また、外国には出国せず国内で避難生活を行う人々のことを国内避難民と言い、一般的に国内避難民の方が難民より多い傾向があります。やっぱり遠い外国まで逃げるのは大変ですからね。
難民の発生
条件
難民が多く発生するのは、
- 戦乱(クーデター、テロ活動、民族紛争など)
- 強権的な政治による迫害
が起こっている地域です。
特に、戦乱が起こると膨大な数の避難民が発生します。
難民が多く発生している地域は、戦乱が起きていると考えてほぼ間違いないでしょう。
難民の歴史
大量の難民が発生した有名な事件として、以下のようなものがあります。
- ビアフラ戦争(1967~1970)
- ベトナム戦争(1965~75)
- カンボジア内戦(1970年代後半)
- ルワンダ内戦(1994)
- コンゴ内戦(1996~)
- ユーゴスラビア内戦(1991~1999)
- シリア内戦(2011~)
おそらく皆さんの親世代だと、ユーゴ内戦あたりが身近かもしれません。どんな感じだったのか、話を聞いてみるのもよいでしょう。私は時々親からカンボジア難民の話を聞きます。当時は学校でガリガリに痩せている人は冗談でカンボジア難民と言われていたそうです。
現在
2023年6月現在、発生している難民の主な出身国は
- シリア
- ウクライナ
- アフガニスタン
です。いずれも戦争や紛争、政変による軍事的脅威が高まったためです。
本稿執筆時点では2023年12月ですので、イスラエルのガザ侵攻により難民の数がさらに増えているものと思われます。
ウクライナ戦争以前は、難民と言えばシリアでした。戦争で一気にウクライナが増えましたね。
難民の受け入れ
一般的に、難民が発生している近隣の国が難民を多く受け入れます。
たとえば、現在難民受入数上位5カ国は、
- トルコ
- イラン
- コロンビア
- ドイツ
- パキスタン
となっており、難民が発生している近隣の国で受け入れが多いことが読み取れます。コロンビアは、隣国ベネズエラからの難民を多く受け入れているものと思われます。
難民の受け入れ国には低・中所得国が多く、経済的余裕がないのに難民を受け入れざるを得ず、受入国も難民も困窮するという問題があります。
また、近年は中東、北アフリカなどの地域で難民が多いことから、比較的近い経済先進地域としてヨーロッパを目指す難民が多くみられます。欧州では、難民・移民の増加による社会の変化、文化の衝突などが大きな問題となっています。