村落の形態
村落の形態
村落には、下記のように様々な類型が存在している。
集村
家屋が密集している村落を、集村という。
塊村
集村のうち、家屋が塊状に集まっているものを塊村という。
便利な場所に人が集まり、自然発生的にできた集落(自然条件)、外敵からの防御などのため家屋を意図的に密集させた集落(社会条件)がある。
もっとも一般的な村落で、古今東西多くの場所でみられる。
円村
ヨーロッパでよくみられる形態。
円状の村の外側を城壁で囲み、外敵の侵入を防いでいる。現在では城壁は撤去され、道路となっている場合も多い。
中央には広場や教会がある。
(エギスハイム・フランス、google earth)
環濠集落
村落の周りに濠をめぐらせ、外敵の侵入を防いでいる集落。
日本では奈良盆地などによくみられ、戦乱の多かった中世に発達した。
(大和郡山市、国土地理院地図・空中写真閲覧サービスをもとに筆者加工)
列村
集村のうち、家屋が列状に並んでいるものを列村という。
列村には、街道沿いに発達した商業的な集落である街村、農道沿いに成立した路村や林地村がある。
路村
まず道路をつくり、道路脇に家を建てて、家の後ろにある短冊状の細長い土地を耕作する。 比較的新しい開拓地でみられる形態で、新田集落に多い。
(埼玉県所沢市、国土地理院地図・空中写真閲覧サービスをもとに筆者加工)
林地村
森林を開拓するためにつくられた村落。
ヨーロッパに多くみられる。
まず森林に道を通し、道路脇に家屋を建設し、背後の森林を開拓していく。
散村
家屋が密集しておらず、家屋が点在している村落。
- 自宅と耕地との距離が近い
- 大規模農業に向く
という利点がある。
外敵の脅威がない地域でのみ成立し、散村が成立したのは近代以降と比較的新しい形態。
新大陸(米国西部やカナダ)、北海道の屯田兵村、富山県の砺波平野でみられる。
(砺波平野・富山県、国土地理院地図・空中写真閲覧サービスをもとに筆者加工)