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不飽和度


概要

「不飽和度」とはずばり、有機化合物中の二重結合・三重結合・環構造の数を表す指標のこと。ある有機化合物中の炭素数を個、水素数を個とすると、

で得られます。二重結合や環構造1個の不飽和度は1、三重結合1個の不飽和度は2で、複数ある場合はこれらの合計値となります。たとえば不飽和度が2と計算できた場合でも、二重結合が2個、環構造が2個、二重結合と環構造が1個ずつ、三重結合が1個の4択の可能性があったりするのは地味ウザポイントです。人生とはなかなかうまくいかないものです。

不飽和度_1.png

また以下の詳細を読めば分かる通り、酸素が含まれている場合も上の式は同じです。ただしその場合、たとえばC=C結合もC=O結合も共に不飽和度1です(*補足1)。

詳細

不飽和度とは別名で「水素不足指数」とも呼ばれ、多重結合や環構造が増えるほど水素数が減ることから計算できます

炭素数個のアルカンの場合は水素数は個ですが、二重結合や環構造ができると2個、三重結合ができると4個の水素が失われます。

不飽和度_2.png

よって注目する化合物の分子式がのとき、炭素数個のアルカンと比較した水素の不足分は個で計算できます。

不飽和度_3.png

最後に、を不飽和度としてもいいのですが、どうせ二重結合や環構造1個につき水素2個ずつ変化するのだから、扱いやすさのために2で割ったものを不飽和度の定義としています。

ちなみに酸素を含む化合物も不飽和度の定義は変わりありません。アルカンも、酸素を持つアルコールやエーテルも、炭素数が同じなら水素数が変わらないので当然っちゃ当然です。

不飽和度_4.png

補足

  • (*補足1)説明は省きますが窒素数が個の場合は、    となります。上の詳細と同様に考えればわかりますね。また結合の手が1本のハロゲンは水素に置き換えて数えればOKです。
  • 不飽和度は英語でIndex of unsaturationもしくはDegree of unsaturationなどと呼ばれるので、不飽和度をIu、I、U、Duなどと書くことがあります(例:はIu=(2×3+2-6)/2=1)。お好きな記号をお使いくださいませ。
  • ベンゼンは、3つの二重結合+環構造で不飽和度は4になります。覚えておくと芳香族の構造決定でちょっと便利です。

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