【和歌篇】日本文学史マスターへの道⑮『新千載和歌集』『新拾遺和歌集』

第18代『新千載和歌集』

《成立時期》

• 延文4（1359）年

《宣下者》

• 後光厳上皇

《撰者》

• 二条為定

《編集プロセス》

延文元年6月11日、将軍足利尊氏の武家執奏という新しい例によって、後光厳天皇の下命により二条為定が選者となる。

延文3年4月、足利尊氏の死去により撰集作業の中止もあったが、

頓阿が足利義詮を説得し、翌年に奏覧。

《有力歌人》

• 為世42
• 為定36
• 伏見院27
• 後宇多院26
• 為氏25
• 後醍醐院24
• 花園院23
• 尊氏22
• 為藤22
• 定家21
• 為家21
• 為道20
• 光厳院20
• 定為18
• 為子17
• 冬平17
• 為兼16
• 為明15
• 公賢15
• 後二条院13
• 俊成15
• 実教15
• 覚助14
• 公雄13
• 後伏見院13
• 国助13
• 国冬12
• 後光厳院12
• 兼氏12
• 義詮11
• 実兼11

配列を見ると奈良・平安・鎌倉と時代の流れを背景にしている。

《部立》

• 四季（春上下・夏・秋上下・冬）
• 離別
• 羇旅
• 釈教
• 神祇
• 恋（1〜5）
• 雑（上・中・下）
• 哀傷
• 慶賀

第19代『新拾遺和歌集』

《成立時期》

• 貞治3（1364）年

《宣下者》

• 後光厳上皇

《撰者》

• 二条為明
• 頓阿

《編集プロセス》

後光厳天皇が足利将軍義詮の執奏によって、二条為明に下命し、貞治2年2月29日の下命であるが、

翌年の4月20日には四季部を奏覧。

同年10月27日に撰者・為明 の病没、頓阿が撰者を引継ぎ、

同年12月に完成し、返納。

頓阿は尊氏や義詮と親しい関係にあったが、

頓阿がどのように撰集に関わったかは不明。

《特徴》

初出歌人が恋・雑部に集中し、

武士・僧侶の歌であり、

構成に意図の不明確な点が見られる。

前の勅撰集との編纂間隔も狭く、

新鮮味にかけ、

頓阿や助力者の経験の浅さが見られる。

《有力歌人》

• 為藤27
• 定家26
• 為家25
• 為世25
• 伏見院25
• 光厳院19
• 為氏19
• 家隆18
• 為定18
• 後光厳院17
• 尊氏17
• 花園院15
• 人麿15
• 義詮15
• 俊成14
• 貫之14
• 後鳥羽院12
• 家教12
• 公雄12
• 実兼12
• 後嵯峨院11
• 為明11

皇室・二条家の狭い世界で継承

《部立》

• 四季（春上下・夏・秋上下・冬）

• 賀

• 離別

• 羇旅

• 哀傷

• 恋（1〜5）

• 神祇

• 釈教

• 雑（上・中・下）

• 神祇

• 賀