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【和歌篇】日本文学史マスターへの道⑥『詞花和歌集』


第6代『詞花和歌集』

《成立時期》

  • 仁平元年(1151)年頃

《宣下者》

  • 崇徳上皇

《撰者》

  • 藤原顕輔

《序》

なし?

《編集プロセス》

崇徳上皇の院宣が天養元(1144)年6月2日に藤原顕輔に下り、

仁平元年(1151)年に撰進された。

選歌対象は、宣下状に「中古より以来」とあり、明確ではないが後撰集以降とされる。

*崇徳院は、崇徳院御製と藤原範綱、藤原頼保、藤原盛経の歌を除くように命じたとされる。

*「御定により止了」とあり、崇徳院御製と藤原範綱、藤原頼保、藤原盛経の歌が含まれているものが初度本、推敲された最終形態を二度本もしくは精撰本と呼ぶ。

《部立》

  • 四季(春・夏・秋・冬)
  • 恋(上・下)
  • 雑(上・下)

10巻本

《代表歌人》

  • 曽禰好忠17首
  • 和泉式部16首
  • 大江匡房13首
  • 源俊頼11首
  • 花山院9首
  • 道命9首
  • 赤染衛門8首
  • 大中臣能宣8首
  • 藤原忠通7首
  • 藤原顕輔6首
  • 平兼盛6首
  • 源道済6首
  • 清原元輔6首
  • 良暹6首

前代歌人が比較的多い。

《『詞花和歌集』の資料》

  • 能因法師が撰集した『玄玄集』

《『金葉和歌集』と『詞花和歌集』》

『玄玄集』は一条天皇の永延以降、後朱雀天皇の寛徳以前の秀歌を集めたもので、

『金葉和歌集』の三奏本は資料の多くを『玄玄集』に求めているが、

『詞花和歌集』も資料を『玄玄集』に求めている。

勅撰集の約束事として同じ歌は選ばれないため、

『詞花和歌集』が『金葉和歌集』の三奏本を勅撰集として認めていないことがわかる。

《ざれ歌様》

滑稽でふざけた姿の歌

→夏と冬にある

《主題や配列》

〈春の題〉

古京立春・古京霞・鶯・若菜・子日・梅・春駒・青柳・桜・山吹・呼子鳥・牡丹・惜春・三月尽

*桜の展開

桜28首のうち、最初の12首は遠望の桜、山桜、里の桜、水辺の桜と分かれ、宮中の桜、故郷の桜、桜狩、散る桜(庭上落花・水辺落花)、落花愛惜と構成される

〈夏の題〉

卯月一日(更衣)・卯花・葵祭・郭公・菖蒲・水鶏・五月雨、花橘・撫子・蛍・納涼・夏夜惜月・夕立・蝉・夏の終という順序

「ざれ歌」に面白みがある。

〈秋の題〉

秋の初風・七夕(七夕・天の川・七夕・天の川)・秋月・秋風・霧・秋草・秋虫・駒迎・鹿・残菊・紅葉・落葉・初霜・九月尽の順序

落葉を紅葉と区別して配している点に新しさがある。 〈冬の題〉

立冬・落葉・初冬・時雨・冬嵐・鷹狩・炭がま・雪・歳暮の配列

「ざれ歌」構成がなされている。

〈曽禰好忠〉

主に四季部に配されており、夏の巻軸、秋の巻頭、冬の巻頭・巻軸を担う。

曽禰好忠の「ざれ歌」が骨格であることを物語る。

〈和泉式部〉

雑部の7首中6首が恋の歌で、恋部を合わせると16首中12首となる。

歌の面白さや返答の美しい捌き技巧をみせる意図から男の贈歌を載せず、和泉式部の贈歌もしくは答歌だけを載せる。

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