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ジアゾカップリング


概要

「ジアゾカップリング」とは、2個のベンゼン環が--で繋がる反応のこと。たとえば、アニリンに低温で亜硝酸ナトリウムと塩酸を加えて「塩化ベンゼンジアゾニウム」とし、そこにナトリウムフェノキシドを加えることで反応が起こります。

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このようにして得られる「p-フェニルアゾフェノール(p-ヒドロキシアゾベンゼン)」は、明るい橙色の物質です。

詳細

ジアゾ化

「ジアゾ化」は、2個(ジ)の窒素(アゾ)がくっついたジアゾニウムイオンを作る反応です。

亜硝酸ナトリウムと塩酸を加えることで、以下のようにのような形となります(*補足1)。

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この不安定そうなイオンが、反応性の高いアニリンの非共有電子対に攻撃をすることで、塩化ベンゼンジアゾニウムが生じます。ただしこの物質も安定性が低いため、0〜5℃の低温で反応させる必要があります。

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仮に温度を上げてしまうと、ジアゾニウムイオンが安定な窒素分子となってしまうような反応が起こってしまいまいす。

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カップリング

陽イオンであるジアゾニウムイオンは、電子が豊富なベンゼン環に攻撃を仕掛けて置換反応を起こすことで「カップリング」が起こります。

塩化ベンゼンジアゾニウムにナトリウムフェノキシドを加えることで、橙色の「p-フェニルアゾフェノール(p-ヒドロキシアゾベンゼン)」が生じます。

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ナトリウムフェノキシドはオルト-パラ配向性であり、オルト位では-基が邪魔で大きなベンゼンジアゾニウムイオンが近づきづらいので、パラ位で置換反応が起こるイメージです。

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補足

  • (*補足1)ふわっとした話ですが、硝酸と塩酸を混ぜて「王水」ができたときと少し似ているかもしれません。王水は以下のように「塩化ニトロシル」が生じることで強い酸化力を持ちますが、ジアゾ化と地味に似ている雰囲気もあります。 ジアゾカップリング_7.jpeg

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