強調構文
強調構文とは
英文で、強調したい語句を It is ( ) that … の ( ) の位置に入れて表すことがあり、これを強調構文といいます。
元の文の主語や目的語、または副詞(句・節)などが ( ) に入り、元の文の残りの部分は that 以下にそのまま残します。作り方を押さえましょう!
例えば、この文を考えてみましょう。
His speech motivates us.
(彼のスピーチは我々を鼓舞する)
※ 鼓舞する、というのは、「ウオー!」という状態にすることです。
この主語の「His speech」の部分を強調したいときは、It is ~ that … で挟んで
It is his speech that motivates us.
(我々を鼓舞するのは、他でもない、彼のスピーチだ)
となります。簡単ですよね?
目的語の us も強調できますよ。必ず前に持ってきてから It is ~ that … で挟みます。他はまとめて that 以下に押し込みます。
It is us that his speech motivates.
(彼のスピーチが鼓舞するのは、他でもない、この我々だ)
伝えたいキモチ
では、なんでわざわざこんな強調構文を使うのでしょうか?それは、「他ではなく、これなんだ!」 ということを伝えたいからです。
上の日本語訳でも実は入れてたのですが、例えば
It is his speech that motivates us.
(我々を鼓舞するのは、他でもない、彼のスピーチだ)
という英文では、「我々を鼓舞するのは、お金でもなく、名誉でもなく、彼のスピーチなんだ!」 みたいな気持ちが込められています。
His speech motivates us.
(彼のスピーチは我々を鼓舞する)
と、もし強調構文を使わないで書くと、確かに彼のスピーチも我々を鼓舞するけれども、言ってないだけで他にも鼓舞するものがあるかもしれませんね。
形式主語との違い
It is ~ that … を見ると、反射的に形式主語の構文だ!と思う方がいるかもしれません。
どうやって見分ければいいかわかりますか?
コツは、It is と that を取っ払って、並び替えれば意味の通る完全な文になるのであれば強調構文です。
ただ強調したいものを前に持ってきて、It is ~ that … で挟んだだけですからね。
形式主語の場合は、そうはいきません。
It is an important evidence that you know the person.
(あなたがその人物を知っていることは重要な証拠だ)
→ It is と that を取っても、an important evidence が入る場所がないので文になりません。なので、これは形式主語の構文です。形式主語 It に that 節を入れて訳しましょう!
補足
主語や目的語だけではなく、副詞(句・節)も強調できる点に注意です!(SVCの補語は強調できません)
It is because he is kind that everyone likes him.
(みんなが彼のことが好きなのは、他でもない、彼が優しいからだ)
こんな感じで特に副詞節が入ると、It is と that が離れてしまって見つけづらいので、英文和訳の問題でよく聞かれます。離れていても、It is ... that に要注意です。
過去形の場合は、もちろん It was ~ that … の形になります。
また、強調したいものが人の場合には、that ではなく who を、人以外のものの場合には、which を用いてもOKです。