文化(近世ヨーロッパ)
概要
近世ヨーロッパの文化についてのお話です。
この時代は合理主義思想が重んじられ、啓蒙思想や自然科学が発展しました。
時代
17〜18世紀
詳細
学問
17世紀には近代自然科学が急速に発展し、自然界の研究が進歩しました。
ニュートンは近代物理学の基礎を築き、『プリンキピア』を著しました。
フランシス=ベーコンは帰納法による経験論を解いた一方、デカルトは演繹法による合理論をうちたてました。
これらの経験論と合理論はカントによって統合され、ドイツ観念論哲学が確立されました。
そして人間社会の考察への探究心も高まり、近代的な自然法思想が生まれました。
この自然法を国家間の関係に適応させ、「国際法の祖」となったのがグロティウスです。
ホッブズは自然状態を「万人の万人に対する闘い」として『リヴァイアサン』を著したのに対して、ロックは人民主権の立場から、不法な統治への人民の抵抗権を擁護し『統治二論』を著しました。
さらに合理的な知を重んじて、社会の偏見を批判する立場をとる啓蒙思想が大きな潮流となりました。
『法の精神』を著したモンテスキューや『哲学書簡』を著したヴォルテール、『社会契約論』を著したルソーなどの啓蒙思想家が登場しました。
フランスでは重商主義の強い規制に対して、重農主義の理論が生まれました。アダム=スミスは『諸国民の富』を著し古典派経済学を確立しました。
芸術
建築分野においては、ヴェルサイユ宮殿を代表とする豪華壮麗なバロック美術と、サンスーシ宮殿を代表とするロココ美術が広まりました。
また音楽分野では、バッハやヘンデルが大成したバロック音楽を引き継いで、モーツァルトらが古典派音楽を完成させました。
絵画では、オランダのレンブラントが明暗を強調する画法で『夜警』などを描きました。
文学では、イギリスに『失楽園』を著したミルトンなどのピューリタン文学が生まれました。
市民生活では、コーヒーハウスやカフェのような人々が自由に交流できる場所が形成されていきました。