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酸化還元滴定


概要

「酸化還元滴定」とは、酸化還元反応を利用して物質の濃度や量を測定する手法のこと。中和滴定では(酸のの数)=(塩基のの数)の関係を使うのに対し、酸化還元滴定では (酸化剤が奪うの数)=(還元剤が与えるの数) の関係を利用します。

酸化還元滴定_1.png

使う実験器具は「中和滴定で使うもの」と全く同じです。ただし、反応がぴったり終わる点をpH指示薬では測れないので、代わりに酸化剤か還元剤自体の色を利用するか、ヨウ素デンプン反応を利用するヨウ素滴定(ヨウ素酸化滴定ヨウ素還元滴定)を行います。

詳細

酸化還元滴定の計算

未知の量の酸化剤(還元剤)に既知の量の還元剤(酸化剤)を反応させて、未知の量を計測するのが酸化還元滴定です。

酸化還元滴定の計算は単に、還元剤が放出した分の電子を酸化剤が受け取る、と言う関係を式にするだけです。ただしそのためには半反応式を立てる必要があるので、 (1)酸化剤と還元剤の半反応式を作る (2)電子の数を比べる の2段階で計算できます。

酸化還元滴定_2.png

(1)酸化剤と還元剤の半反応式を作る

作り方は「半反応式」をチェック!

(2)電子の数を比べる

1粒のは5粒の電子を受け取り、一方1粒のは2粒の電子を放出します。よって、この酸化還元反応がぴったり起こったなら、以下のような関係がなりたちます。

酸化還元滴定_3.png

これを解けばです。

指示薬

水溶液は赤紫色、は透明〜淡桃色であることを利用して、還元剤に水溶液を滴下して赤紫色が消えなくなる点を終点とします

ただしを用いない場合は工夫が必要です。終点を見極めるために「ヨウ素滴定(ヨウ素酸化滴定ヨウ素還元滴定)」という特別な手法を用います。

補足

  • 酸化剤の反応性を高めるために硫酸酸性としていますが、塩酸や硝酸を用いるとそれ自体がそれぞれ還元剤・酸化剤として働いてしまうので、原則硫酸を用いています。

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