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数値代入法


概要

「この等式が恒等式になるような、定数 を求めよ」 みたいな問題を、どこかで見たことがあるはず。

この考え方として、代表的なものに、

の2つがある。ここでは2つ目の数値代入法について学ぶ。例で見た方が早いと思うので、早速見てみよう。

【問】

についての恒等式となるような、定数 の値を求めよ。

【解】

等式の両辺に を代入すると(代入して計算が楽そうな値を選んでいる!)、

となるので、これを変形して

を得る。

【これらを等式の左辺に代入すると、左辺は となるので、確かに等式は恒等式となる。よって上記の解は必要十分条件となる。】

十分性の確認

素朴に考えると、恒等式というのはどんな を代入しても成り立つ等式のことなので、上の問題で、値を適当に3つ選んで代入して出てきた の条件というのは、必要条件にすぎないように思われる。

ただ実は、多項式一致の定理という事実により、両辺が2次以下の整式のとき、異なる の値を3つ代入して等式が成り立てば、全ての で等式が成り立つ、つまり等式が恒等式となることが知られている。(一般的な性質や証明は、多項式一致の定理の辞書で確認しよう)

なので、上の問題で、異なる値を適当に3つ選んで代入して出てきた の条件というのは、等式が恒等式になるための必要十分条件になっているので、答えの中の【】の部分の 十分性の確認は実は不要である

とはいえ、もちろん【】の部分を書いても間違いではないし、何も書かなかった場合、採点側からすると、

  • 多項式一致の定理を知っていて(つまり3つを代入して出てきた の条件が必要十分条件だと認識した上で)十分性の確認をしていないのか
  • 定理を知らずにただ十分性の確認が抜けているのか

が判別できないこともあるので、個人的には【】の部分を書くか、多項式一致の定理の内容に一言でも触れた方が親切な気はします...

補足

上の例題を 係数比較法 で解いてみる。

左辺を整理すると、等式は

となる。この等式が恒等式となるための必要十分条件は、係数が全て等しいことであり、

を得る。これらを連立して解けば、

となり、これが求める条件である。

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