仕事率
概要
仕事を考えるときには(ここは物理の世界の「仕事」を考えることにしよう!)、仕事の「量」だけを考えてきた。じゃあその仕事がどれくらいの時間で行われたのか、言い方を変えると、どれくらい効率よく仕事を行ったのか、について考えたいことがある。
そのときに出てくるのが仕事率という概念だ。時間
を、この時間内での (平均の)仕事率という。仕事量を時間で割るだけ。単位はワット
仕事量としての
仕事率は現実世界でもイメージすることができて、仕事率は 「仕事の効率」 くらいに思っておけばOK。ここでは宿題をすることを「仕事」だと思うことにすると、例えば同じ量の宿題をAさんは30分で終わらせたものの、Bくんは3時間かかったとする。このとき、Aさんは仕事の効率が大きい、つまり仕事率が大きい、と言える。
例
【問】あらい水平面上に質量
【答】
鉛直方向の力のつり合いより、
加速度
これらより、
と求められる。移動による変位は
となる。また、仕事率
となる。
補足
上では、仕事量の時間に対する割合が常に一定である場合を扱ったものの、現実はそんなに甘くない。仕事量の時間に対する割合が時間によって変わる場合は、時間を細かくしていって、微小時間
仕事の式(
微分を学んでいる方は、仕事の時間微分が仕事率である とスッキリ理解しよう。変位の時間微分が速度になるのと、同じイメージ。
また、電磁気まで学習した人は、 「電力」「電力量」 という用語を知っているかもしれない。電力は、単位時間に電流がする仕事、つまり電流がする仕事率