【和歌篇】日本文学史マスターへの道③『拾遺和歌集』
第3代『拾遺和歌集』
《成立時期》
- 寛弘3(1006)年頃
《宣下者》
- 花山院
《撰者》
- 花山院か
- 近臣の藤原長能や源道済の協力か
《花山院と和歌》
花山院は和歌愛好家で、
側近の歌人と歌合や歌会を催しており、
藤原公任や藤原実方、藤原長能らと歌壇を形成して寛和元年と寛和2年に「内裏歌合」を主催した。
寛和元年の歌合は花山院も歌人として参加した。
《『拾遺和歌集』と『拾遺抄』》
-
藤原公任の私撰集が『拾遺抄』 当代の代表歌人の歌が載っており、『拾遺和歌集』以前から世間に流布していた。
-
『拾遺和歌集』は『拾遺抄』を補って成立している。
『拾遺抄』が『拾遺和歌集』の秀歌を抄出したものではない。
《序》
なし
《部立》
- 四季(春・夏・秋・冬)
- 賀
- 別
- 物名
- 雑(上下)
- 神楽歌
- 恋(1〜5)
- 雑春
- 雑秋
- 雑賀
- 雑恋
- 哀傷
《代表歌人》
- 紀貫之107首
- 柿本人麻呂104首
- 大中臣能宣59首
- 清原元輔46首
- 平兼盛38首
- 藤原輔相37首
- 凡河内躬恒34首
- 源順27首
- 伊勢25首
- 恵慶法師19首
- 村上天皇16首
- 藤原公任15首
《『後撰和歌集』との違い》
『後撰和歌集』よりも屏風歌や障子歌、歌合の歌が多く、晴れの場の歌が中心となっている。
また、『拾遺和歌集』は歌集的形態を整えようとしており、『後撰和歌集』と対照的な歌集である。
《自然観》
四季歌が自然を対象に生まれているが、描かれた自然を詠むように変わっているということ。