【和歌篇】日本文学史マスターへの道④『後拾遺和歌集』
第4代『後拾遺和歌集』
《成立時期》
- 応徳3(1086)年
《宣下者》
- 白河天皇
《撰者》
- 藤原通俊
《序》
あり
《編集プロセス》
〈序文より〉
下命は承保2(1075)年9月で白河天皇から撰集の勅命が下ったが、
政務多忙により9年経た応徳元年6月20日頃、
参議の役職に就き余暇ができたため撰集に着手した。
撰歌範囲を村上天皇から当代までの11代に絞り、約130年間の歌の中から撰んだ。
応徳3(1086)年9月16日に撰定完了。
〈序文以外から〉
応徳3(1086)年9月16日に撰定完了のため、10月ごろの奏覧と推測されるが、
大歌所源経信『難後拾遺』により非難を受け、改訂し、
寛治元(1087)年2月に再奏上し、8月に目録と序を奉り、撰定完了とされる。
源経信『難後拾遺』に対して、
藤原通俊は『後拾遺問答』を遺した。
《方針》
天皇御製であっても欠点があれば含まず、秀歌の名声を得た歌は身分が低くとも含める。
《部立》
- 四季(春上下・夏・秋上下・冬)
- 賀
- 別
- 羇旅
- 哀傷
- 恋(1〜4)
- 雑(1〜6)
《代表歌人》
- 和泉式部67首
- 相模40首
- 赤染衛門32首
- 能因法師31首
- 伊勢大輔27首
- 清原元輔26首
女性歌人が3分の1を占める。
《特徴》
女性の活動が和歌の世界に反映されている集
王朝文化の華を女性歌人により象徴させた集