ボーア模型(仮)
ラザフォードの原子模型
まず、ボーア模型以前に主流となっていたラザフォードの原子模型について軽く触れておきたい。ラザフォードの原子模型とは、簡単に言えば、中心にある原子核の周りを電子が回っているという中学の理科などで習ったアレのことだ。
↓こういうやつ
当時から原子の中には電子が存在することは分かっていたから、原子には正電荷を持つ部分もあると考えられたが、その分布は分かっていなかった。そこでラザフォードは高速の
ラザフォードの原子模型の問題点
ラザフォードの原子模型には、大きく2つの問題点があった。 ①原子の安定性を説明できない。 電磁波の理論によると、運動する電荷は電磁波としてエネルギーを放出するので、原子核の周りを回転する電子はエネルギーを失って徐々に原子核に近づいていってしまうはずである。 しかし、原子はちゃんと中心の原子核とその周りの電子に分かれた状態で存在しているので矛盾が生じている。
②線スペクトルを説明できない。 光を波長によって分けたものをスペクトルという。原子が熱されるとエネルギーを吸収して高温になり、エネルギーを放出するときに光を発する。高温の原子が出す光のスペクトルはいくつかの波長がとびとびに分布することが知られていて、この分布の仕方を線スペクトルという。 原子が持つエネルギーは、電子の運動エネルギーと静電気力による位置エネルギーの合計である。これを計算すると(ボーア模型の説明でこのエネルギーを計算する。)、原子のエネルギーは電子の回転半径で決まることが分かる。 しかし、ラザフォードの模型では電子の回転半径は連続的に変化してよいはずなので、スペクトルも連続するはずであり矛盾が生じている。