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日本文学史マスターへの道
浄瑠璃
〔浄瑠璃『本朝廿四孝』の八重垣姫〕
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《確認ポイント》
✔︎浄瑠璃
✔︎文楽 ✔︎竹本座と豊竹座
《浄瑠璃について》
浄瑠璃
- 名前の変遷
江戸期は「操り」「操り浄瑠璃」「浄瑠璃操り」と呼ばれ、語り主導であった。
明治に入り人形を使った視覚性によって「人形入り浄瑠璃」「浄瑠璃人形入り芝居」と呼ばれ、
大正・昭和期には物語と演劇性により「人形浄瑠璃」と呼ばれた。
現在では伝統芸術の認識から「文楽」と呼ばれている。
- 由来
室町後期に扇拍子や琵琶の伴奏で語られた牛若丸と浄瑠璃姫の恋を描いた『浄瑠璃物語』の節回しが浄瑠璃として一般化してできた名前。
《人形浄瑠璃について》
語りものである浄瑠璃に琉球に渡来した三味線の伴奏と人形操りが結合したもの。
《歌浄瑠璃について》
人形とは関係なく、歌舞伎舞踊などで使用される歌に近い語り物のこと。
《竹本義太夫》
播磨節に加賀節の技法や曲節を摂取し独自の芸風を確立し、義太夫節を創始する。
義太夫節を「当流」と言い、
それ以前のものは「古流」または「古浄瑠璃」という。
貞享元(1684)年に大坂道頓堀に竹本座を創設し、近松門左衛門を作者として迎えた。
義太夫の詞を写実的に語り、地の文も詞章に合わせて節付けをするドラマ性ある語り口は近松の書いた話題性ある新作によって可能になったと言える。
人形浄瑠璃の流派の中で独特な節回しや舞台演出を大きく変え人気になった人物である。
〔大阪超願寺にある竹本義太夫の墓〕
《人形浄瑠璃のジャンル》
- 世話物
世話とは噂話や世間話を意味し、心中や姦通などの人の興味を惹く事件をテーマとしたジャンル。
- 時代物
公卿や武家が起こす事件をテーマとしたジャンルで、世話物の登場によりそれ以前の定型であった形が時代物と呼ばれた。
《豊竹座》
元禄16(1703)年に豊竹若太夫が開いた座で、紀海音が座付作者である。
《紀海音》
豊竹座の専属座付作者で、近松門左衛門に対抗し、『お染久松袂の白搾り』などの世話物に優れていた。
《武田出雲》
二代目竹本出雲で、竹本座の興行主で近松門左衛門の弟子として時代ものに優れていた。合作も多い。
《並木宗達》
竹本座・豊竹座両方に執筆し、合作が多い。
《近松半二》
竹本座の立作者(座付作者の首席)で舞台技巧を重視した。
《竹本座/武田出雲&豊竹座/並木宗輔の合作》
『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』
彼ら二人が、近松門左衛門死後の中心人物