概要
単位ベクトルとは、 大きさが (つまり長さが ) のベクトルのこと。
零ベクトルでは無い、とあるベクトル が与えられた時に、そのベクトルの大きさで割ると、 同じ方向を向いた単位ベクトルが求められる、というのは、知っておくと結構便利なことがある。式で書くとこんな感じ。
大事なのは、
- 分母は、単なる値であること
- を、 以上の値で割っている、つまり、ベクトルを伸縮させているだけ(なので、同じ方向を向く)
- 自分自身の長さで割るので、必ず大きさが になる。(例えば大きさ のベクトルを で割ったら、大きさが のベクトルが出てくる)
というのをイメージで理解しておくこと。
絵で書くとこんな感じ。

例
と同じ向きの単位ベクトルを求める。ベクトルの大きさは
なので、単位ベクトルは、
と求められる。
補足
やや発展的ではあるが、 正射影ベクトルを考える時にも大事になる、縁の下の力持ち的な概念。
また、 あるベクトルを 軸成分と 軸成分に分解するような使い方もする(もちろん空間でもOKだが、ここでは平面で話を進める)。つまり、 軸正の方向の単位ベクトルを 、 軸正の方向の単位ベクトルを とおくと、あるベクトル は、
として、 成分と単位ベクトルを使って表現することができる。これは、ベクトルの足し算を考えたら納得できると思う。

※成分が正のときで書いているが、負でも同様。
もしくは、成分で計算しても理解できると思う。つまり、、 なので、
こういう分解は、なかなか高校数学では登場してこないが、大学数学になると、鬼のように登場する。