企業的穀物農業
企業的穀物農業
その名の通り、企業的に穀物を栽培する農業です。何十、場合によっては百ha以上の広大な耕地で、大型機械を使って大規模に栽培し、販売する農業です。
とにかく広い土地が使えるので、面積で収量を稼ぎます。そのため農地が広くなりすぎ、ちまちま手間をかけて作物を育てることができません。そのため、土地生産性は低くなります。
一方で、少ない人数で大型機械を使って農作業を行っており、農薬を飛行機で撒いたり、無人運転のコンバインで作物を収穫したりと、農業労働の徹底的な効率化・省力化が図られています。このため、労働生産性が極めて高いことが特徴です。
ちなみに、この場合の穀物とはほとんどの場合小麦のことを指します。
というのも、穀物と言えば基本的に米、小麦、トウモロコシを指すのですが、米やトウモロコシが企業的に栽培されることはほとんどありませんので、企業的穀物農業と聞いたら小麦だと思ってもらって構いません。
地域
有名な地域は、
- プレーリー(アメリカ合衆国~カナダ)
- マリー・ダーリング盆地(オーストラリア南東部)
- パンパ(アルゼンチン)
- チェルノーゼム(ウクライナ~ロシア~カザフスタン)
でしょう。
アメリカの農業と言えば、とにかく広大な土地で大型機械が小麦を大量に収穫している姿が思い浮かぶ人もいるでしょうが、まさにそれです。
アルゼンチンのパンパでは、パンパには乾燥パンパと湿潤パンパがあるのですが、その中間地域が小麦の主な栽培地域です。
執筆時点では戦争で大変なことになっているウクライナも企業的穀物農業が盛んな地域で、ヨーロッパ各国に小麦を大量に輸出していることから「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれていたりします。
戦争で小麦の輸出が滞ったことでヨーロッパが他の地域から小麦を買い付けるようになり、世界的な穀物不足に繋がることが危惧されています
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