近代文化は、資本主義の拡大や国民国家の成立を背景に、市民文化や科学が発展して確立しました。
19世紀
19世紀前半には、フランス革命などに代表される啓蒙主義思想に反対して、個人の感情を大切にするロマン主義が生まれました。
これに対して、19世紀後半には社会の現実をありのままに描く写実主義が唱えられました。
さらに写実主義から発展して、外界を科学的に観察する自然主義が現れました。
写実主義を代表する画家としてはミレーやクールベ、印象派はルノワールやモネ、後期印象派はゴッホやゴーギャンなどが挙げられます。





文学では、ゲーテの『ファウスト』、またスタンダールの『赤と黒』、ドストエフスキーの『罪と罰』などが著されました。
哲学では、カントによって確立されたドイツ観念論哲学を発展させ、ヘーゲルによって弁証法哲学が唱えられました。
社会学では、イギリスでは経験論哲学やベンサムの功利主義が生まれ、フランスではコントによって実証主義による社会学が唱えられました。
歴史学では、ドイツのランケが厳密な資料批判に基づく近代歴史学の基礎を築きました。
経済学では、マルサスやリカードらの自由放任主義的な古典派経済学と、国家による経済の保護を必要とするリストらの主張が広まり、さらにはマルクスが『資本論』を著し、マルクス主義経済学を樹立しました。
自然科学や技術では、キュリー夫妻がラジウムを発見し、ダーウィンが進化論を提唱し、またベルが電話を発明しました。
またクックによる太平洋探検や、リヴィングストンらによるアフリカ内陸部の探検など、当時のヨーロッパ人にとって未開の世界への探検が積極的に行われました。
これらに加えて、都市計画が進められ、新しい現代大衆文化が広まりました。
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