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源氏物語の和歌で古典力アップ!「帚木」


源氏物語の和歌で古典力アップ!

大河ドラマ「光る君へ」で人気沸騰中の『源氏物語』、皆さん全部読んだことありますか?

54帖とかな〜り長い物語なので、一部しか知らない人も多いのでは?

このサイトは、『源氏物語』に出てくる和歌だけに絞って、単語力の強化や『源氏物語』が読んだ気になれるような感覚を持つために作成しました。

【このサイトを特におすすめする人】

  • 受験生で古典単語が全然わからない人

  • 受験生で和歌が全然わからない人

  • 『源氏物語』を軽〜く知りたい人

では、早速学びスタート!

10 手を折りて あひ見しことを 数ふれば これひとつやは 君が憂きふし

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[現代語訳]

(伊勢物語には、指を折って相逢うたことを数えたら、もう四十年になった、とあったけれど)俺達のばあいは、こうしてずっと連れ添ってきた間のことを数えてみたら、お前の嫌なところは、今回の嫉妬沙法一つだったろうかねえ、そんなこともあるまいよ

by林望『謹訳源氏物語』

11 憂きふしを 心ひとつに 数へきて こや君が手を 別るべきをり

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[現代語訳]

心憂きことといえば、私のほうがよほどたくさん。ずっと心のなかに数えてきて、その数は数えきれないくらいだったのに、この一本の指のことだけのために、あなたと手を切る時となってしまったわね

by林望『謹訳源氏物語』

12 琴の音も 月もえならぬ 宿ながら つれなき人を ひきやとめける

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[現代語訳]

こんなに琴の音も月の光も、得も言われぬほど素晴らしいお邸ですが、それでも、どうやらつれない男を引き止めることはできなかったようですね、こうして誰も訪れた跡がないようですから

by林望『謹訳源氏物語』

13 木枯に 吹きあはすめる 笛の音を ひきとどむべき 言の葉ぞなき

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[現代語訳]

木枯らしに巧みに吹き合わせておいでとみえる、あなたの笛の音ですもの、どうやってここにお引き留めできましょう、わたくしの弾く描い琴の音でも、言の葉でも

by林望『謹訳源氏物語』

14 山がつの 垣ほ荒るとも 折々に あはれはかけよ 撫子の露

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[現代語訳]

山住みの卑しい家の垣根には雨露の恵みも懸かることはなくて、今はもうすっかり荒れ果ててしまいました。けれどもどうか、折々はお情をお掛けくださいませね、いいえ、わたくしにではなく、その垣に咲いております撫子の花に露がそっと置くように

by林望『謹訳源氏物語』

15 咲きまじる 色はいづれと 分かねども なほ常夏に しくものぞなき

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[現代語訳]

とりどりに咲いております花の色はいずれが勝り、いずれが劣るとも区別がつきませぬが、それでもなお、この床をともにする常夏の花にまさるものもございますまいね

by林望『謹訳源氏物語』

16 うち払ふ 袖も露けき 常夏に あらし吹きそふ 秋も来にけり

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[現代語訳]

私の袖は、払っても払っても落ちる涙ですっかり濡れております。そらしてけなげに咲いている常夏の花に、つらい嵐が吹き募って秋が来たように、あなたのお心にも飽きが来たのでしょう

by林望『謹訳源氏物語』

17 ささがにの ふるまひしるき 夕暮れに ひるま過ぐせと いふがあやなさ

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[現代語訳]

蜘蛛の動きがはっきりと私の来ることを示していたはずの夕暮れだというのに、との親の臭いのしている昼間の間を、どこかで過ごしてこいというのは、あまりにも筋の通らぬ話じゃないかね

by林望『謹訳源氏物語』

18 逢ふことの 夜をし隔てぬ 仲ならば ひる間も何か まばゆからまし

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[現代語訳]

お逢いすることが毎夜に豆るような膨まじい仲ならば、昼間の赤の臭いのする間にお目にかかるのも、どうして恥ずかしいことがありましょう。でも、あなたはたまにしかおいで下さらない、そんな疎遠な仲なのですものね

by林望『謹訳源氏物語』

19 つれなきを 恨みも果てぬ しののめに とりあへぬまで おどろかすらむ

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[現代語訳]

あなたの仕打ちがあまりにも無情なのに、まだ十分恨みを申し上げないうちに、はや、夜が明けてしまいました。このしらじら明けに、鶏までが、とるものもとりあえず帰れというように、目を覚まさせることでございます

by林望『謹訳源氏物語』

20 身の憂さを 嘆くにあかで 明くる夜は とり重ねてぞ 音もなかれける

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[現代語訳]

我が身の辛さを嘆いても嘆いても嘆ききれないうちに明けてしまった夜は、鶏が何度もとか重ねて鳴くのに重ねて、わたくしもいっしょについつい泣けてしまいます

by林望『謹訳源氏物語』

21 見し夢を 逢ふ夜ありやと 嘆くまに 目さへあはでぞ ころも経にける

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[現代語訳]

先夜見た夢を、また現実として再び逢う夜があるだろうかと嘆いている間に、夢見るどころか、あなたを思って眠ることもできぬまま、もう何日も経ってしまいました

by林望『謹訳源氏物語』

22 帚木の 心を知らで 園原の 道にあやなく 惑ひぬるかな

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[現代語訳]

遠くから見れば見えるのに、近づけば酒えてしまうというあの魔法のような帚木。その帚木のようなあなたのつれない心を知らずに、帚木の生えていると伝える園原の道に、私はあえなく迷ってしまいました

by林望『謹訳源氏物語』

23 数ならぬ 伏屋に生ふる 名の憂さに あるにもあらず 消ゆる帚木

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[現代語訳]

取るに足りないあばら屋に生えるという帚木、その名の情けなさに、そこにいることもできずに姿を消してしまう帚木なのでございます

by林望『謹訳源氏物語』

「帚木」の巻について

2.jpg 出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

光源氏:17歳の夏頃の話

あらすじ:光源氏の宿直所に親友でありライバルである頭中将が訪れ、女性について話をする。左右馬頭と藤式部丞が加わり、一般の話から経験談までが繰り広げられる。中流階層の女性について知らない光源氏は関心を示し、翌日、空蝉と契りを交わす。ただ、空蝉は光源氏に恋おぼれないよう振る舞う。

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