受精
受精とは
精子が卵内に侵入し、卵の核と精子の核が合体すること。
ウニの受精過程
高校生物ではなぜかウニの受精過程が取り上げられる。
おそらくシンプルで理解しやすいからであろう。
シンプル、と言っても、ややこしいと感じる人が多い印象だ。
とっても大事なので、しっかりと流れを理解しておこう!
①精子がゼリー層に到達し、先体の内部物質を放出する。
②精子が先体突起を形成し、卵膜(卵黄膜)と融合する。(先体反応)この際、融合部位に膨らみが生じる。これを、「受精丘」という。
③表層粒が卵表面に移動してエキソサイトーシスをおこし、細胞膜と卵膜の間に内部物質を放出する。(=表層反応)
④表層反応により、卵膜が細胞膜から離れて、受精膜になる。
(受精膜はもと卵膜!!)
⑤卵内に入った精子の核と卵の核が融合する。
2匹目の精子の侵入防止策
匹、という単位があっているのかどうかは突っ込まんといて、、(笑)
1つの卵と受精できる精子は1つだけである。
(結局「1つ」になるんかーい)
一方で、一度に受精しようとする精子は膨大な数である。
それにもかかわらず、なぜ1つの精子だけが受精できるのだろうか。
たくさんの精子が卵に入り込んでしまわないのだろうか。
そうならないために、1つの精子が受精しようとすると、他の精子が卵にくっつかないようになる仕組みがちゃんと備わっているのである。
1.受精膜で防ぐ(遅い)
精子は受精膜を通過することができない。
そのため、受精膜ができると、新たな精子が入り込むことが出来なくなる。
しかし、受精膜が形成されるまで、60秒ほどかかる。
そのため、受精膜ができるまでの間は別の方法で精子の侵入を防いでいる。それが次に紹介する方法だ。
2.電位の変化で防ぐ(速い)
最初の精子が卵内に侵入すると、膜電位が急上昇し、+20㎷くらいになる。
ところが、実は精子は卵の細胞膜の電位がプラスの状態だと、受精することができない!!!
そのため、最初の精子が侵入した瞬間から、他の精子は侵入することができなくなるのだ。
以下は精子進入時の卵表面の電位の変化のグラフである。
グラフから、膜表面の電位は、受精膜が形成される60秒後ごろに元に戻っていることが読み取れる。
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初めの60秒ほどは電位の変化により、その後は受精膜により、2匹目以降の精子の侵入を防いでいるということだ。
こうして数ある中からたった1つの精子だけが受精することができるのである。
しっかりおさえておこう!