人口密度
簡単なまとめ
人口密度は、1km²あたりの人口のこと。人口がどれくらい密集しているかを表す。
ヨーロッパ・モンスーンアジア・アメリカ合衆国北東部で特に高く、ロシア・オーストラリアなど寒冷地域・乾燥地域で低くなる。
人口密度は、主に農業生産力、経済水準で決定される。
人口密度が高い地域
人口密度が高い主な地域は、
- モンスーンアジア
- ヨーロッパ(特に西ヨーロッパ)
- アメリカ合衆国北東部(メガロポリス)
です。
代表的な国としては、
- バングラデシュ(1133人/km²)
- オランダ(420人/km²)
- インド(425人/km²)
- 日本(331人/km²)
- フィリピン(374人/km²)
が挙げられます。中国は面積が広すぎ、人口の割に人口密度は高くありません。
また、モナコやシンガポールなどの都市国家、モルディブ・モーリシャスなどの小さな島国も、人口密度が非常に高くなります。
人口密度が低い地域
人口密度が低い主な地域は、
- 寒冷な地域
- 乾燥地域
に分布しています。
代表的な国として、
- ロシア(8人/km²)
- カナダ(4人/km²)
- オーストラリア(3人/km²)
- モンゴル(2人/km²)
があります。
人口密度を決定する要因
人口密度は、主に
- 農業生産力
- 経済水準
で決定されます。
要は、その土地で暮らしている人間を食べさせられるかで決まるということです。
農業生産
農業生産が盛んだったら当然食べ物がたくさんあるわけですから、養える人数も多くなります。
特に、米は面積当たりの収量が非常に多く(=土地生産性が高く)、狭い面積で多くの人口を養うことができるため、稲作が中心のモンスーンアジアでは人口密度が高くなる傾向があります。
逆に、乾燥地域や寒冷な地域では遊牧など極めて粗放的な農業しか行えず、土地生産性が低いため人口は希薄となります。
エジプトのナイル川周辺など、乾燥地域でも外来河川沿いなどオアシス農業が盛んな土地では人口密度が高いところもあります。
経済水準
農業ができなくても、商工業が盛んで儲かっている地域であれば、食料を他所から買ってくることができますから、多くの人口を養うことができます。
ラスベガスなどは、周辺を砂漠に囲まれ農業どころではありませんが、観光・娯楽産業で栄え、食料は遠方からの輸送に頼っている典型例でしょう。
ラスベガスほどの極端な例でなくても、現代では輸送技術が発達し、世界のどこでも食料を容易に調達できるようになりましたから、現代の都市の規模は、食料生産だけでなく経済規模に左右される面も大きくなっています。