概要
物体Aから観測した物体Bの速度のことを相対速度といい、物体Bの速度ベクトルから物体Aの速度ベクトルを引くことによって得られる。すなわち、Aに対するBの速度 は次のように表される。
同じ方向に進んでいる場合は簡単だが、そうでない場合はどちらからどちらを引くか分からなくなりがちなので、定義をしっかり覚えておこう。
「何から何を観測しているか」 をしっかり意識してしまえば、勝利したも同然。
例
【問1】車が で走っており、自転車が逆向きに で走っている。このとき、自転車からみた車の速度を求めよ。速度の正方向は車の向きとする。
【答1】定義通り相手の速度から自分の速度を引くと、
と求まる。

【問2】車が で水平方向に走っており、雨が鉛直下向きに で降っている。このとき車から見た雨の相対速度の大きさを求めよ。
【答2】ベクトルで表すと下図のようになり、求める速度の大きさは となる。

補足
相対速度と同様に、相対位置 や相対加速度 も次のように定義される。
さらに、静止系の変位や速度と同様に
という関係が成り立つ。微積分を用いて相対運動を考えるときに使うので、余裕があれば知っておいてもよいだろう。