概要
例えば、
のような、 つの円の方程式
を考えたとき、 これらの つの交点を通る円 は、実数 を用いて、
もしくは
と表せる。
つの円の 交点を通る直線 もよく聞かれるが、で とすれば、 や を消して直線の式を求めることができる。
のどっちを使うかは結構好みが分かれるが、以下のような長所と短所があるので注意が必要。パスタかピザか決めるくらいに悩ましい。
の長所:未知数が つのみ
の短所: の円を表すことはできない(それ以外の「2交点を通る円・直線」は表せる)
の長所:全ての「 交点を通る円・直線」を表せる(, とすれば、 も表せる)
の短所:未知数が つ発生する
例
証明は、例えばKoga Masakiさんの「束の原理」の動画を参照!
とりあえず難しい話はおいておいて、ここでは簡単な例で理解しよう。例えば一番上で書いた つの円の交点を通る直線は、
と求められる。上の つの円の交点を通り、原点を通る円の方程式については、まず実数 を用いて、
と表す( が原点を通らず、答えの円にならないので、この形で書いてOK)。原点を通るので、 を代入して、
よって円の方程式は、
と求められる。
補足
この表し方のことを、円の集まりとして、 「円束」 と呼ぶこともある。おそらくイントネーションは「えん⤵︎そく」。
は直線でもOKで、両方が直線になった場合は、2つの直線の交点を通る直線の集まりを表し、 「直線束」 と呼んでいる。「直線束」の辞書はこちらから確認できる。