概要
関数がある で微分可能というのは、簡単にいうと、そこでグラフが尖ってなくて、 なめらかに関数がつながっているということ。
それをカッコよく数学的に表現すると、以下のような定義になる。
「関数 は で「微分可能」とは、
が存在すること」
ちなみに、この極限の式は
と書いても良い。上の極限値が存在した場合、その値を 「微分係数」 と呼ぶ(数学IIでひょっこり出てきたもの)。
さらに細かく言うと、この極限値が存在するための必要十分条件は、
と
が一致すること。
つまり、 を の右から近づけた右側極限と、 を の左から近づけた左側極限が一致するということ(もしその点の両側で分ける必要がなさそうであれば、一気に極限値を出して良い(下の例[1]))。
極限の式の中に があるので、 が存在することも前提となっている。
ちょっと何言ってるかわからない人は、下の例で確認しよう。
例
[1] は で微分可能か?
となり、 極限値が存在するので、微分可能。
( については、極限の定義より、 は限りなく に近づくが にはならないので、 で割ることができる(下の例も同様))
[2] は で微分可能か?
の左右で関数の様子が変わるので、右側極限と左側極限に分けて考える。
右側極限は、
( の右側極限を考えているので、。よって が得られる)
左側極限は、
( の左側極限を考えているので、。よって が得られる)
となり、左側極限と右側極限が一致しない。よって極限値が存在しないので、微分可能ではない。
証明
- ある区間のどこの点でも微分可能であれば、関数 はその区間で微分可能と言える。
- いちいちここまで詳しく証明しなくても、当たり前のときは、証明なしで「微分可能」と書いてOK。
- ある関数が微分可能ならば連続である 。逆は成り立たない。