転写でできたmRNA前駆体から不必要な部分が除かれ、必要な部分のみになる過程のこと。
核内で、真核生物にのみ起こる。
真核生物の場合、転写されたmRNA前駆体には、
がある。
このうち、イントロンが取り除かれ、エキソンのみになるのがスプライシングなのだ。
だけれども、ここで疑問がわく。
なぜイントロンなんて存在するのだろうか。
転写した後わざわざイントロンを取り除くくらいなら、始めからエキソンだけの方が、効率がよくない?
例えばヒトの場合、DNA全体に含まれる遺伝子は約2万である。
それに対し、生体内で転写・翻訳を経て合成されるタンパク質は、約10万種類ある。
遺伝子の5倍ほどもの種類のタンパク質を、どうやってつくるのだろうか。
その答えは、スプライシングにあるのだ⋯
スプライシングでは、イントロンが除かれるが、この時エキソンも除かれることがある。
例えば、以下のようなmRNA前駆体のエキソンに1,2,3と番号を振る。
そしてスプライシングの時に、1または2のエキソンが取り除かれたとする。
そうすると、この2つのmRNAからできるタンパク質は、別のものになる。こうして、スプライシングによりエキソンを選択的に取り除くことによって(=選択的スプライシング)、1か所の遺伝子から数種類のタンパク質をつくることができるというわけだ。これこそが、スプライシングが必要な理由なのである。
疑問に思った人のために一応。
スプライシングについて動画で学びたい方は、「おうち生物 20. タンパク質ができるまで」をチェック!!
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