平家物語の和歌で古典力アップ!「巻九」
平家物語の和歌で古典力アップ!
『源氏物語』はなんとなく知っているけれど、『平家物語』はさっぱりわからないのでは?
源氏と平氏は、源平合戦で対立するものという認識があるでしょうか?
『平家物語』は軍記物語呼ばれ、合戦を描いています。
『源氏物語』とは一味違う世界をしてみてはいかが?
このサイトは、『平家物語』に出てくる和歌だけに絞って、単語力の強化や『平家物語』が読んだ気になれるような感覚を持つために作成しました。
【このサイトを特におすすめする人】
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受験生で古典単語が全然わからない人
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受験生で和歌が全然わからない人
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『平家物語』を軽〜く知りたい人
では、早速学びスタート!
64 今日までも あればあるかの 我が身かは 夢のうちにも 夢を見るかな
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[現代語訳]
今日までこうして生きているけれど、そんなふうに生きていられる我が身であったろうか。されば、かかる位を頂戴するなど、夢のなかでまた夢をみているようなものである
by林望『謹訳平家物語』
65 人知れず そなたをしのぶ 心をば かたぶく月に たぐへてぞやる
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[現代語訳]
人知れずそなたを思いやっている私の心をば、こうして西に傾いてゆく月に添えて贈ることにしようぞ
by林望『謹訳平家物語』
66 もののふの とり伝へたる 梓弓 ひいては人の かへすものかは
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[現代語訳]
武士たるもの、代々伝えてきた梓弓をいったん引いてしまったからには、戻すことができぬごとく、さて私もここで引いて帰ることなどできるものでありましょうや、できませぬぞ
by林望『謹訳平家物語』
67 ゆき暮れて 木のしたかげを 宿とせば 花やこよひの あるじならまし
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[現代語訳]
旅の日も暮れて、きょうはこの桜の木の下をば宿とするならば、なるほどこの花が今宵の主となってくれるのであろう
by林望『謹訳平家物語』
68 わが恋は ほそ谷川の まろき橋 ふみかへされて 濡るる袖かな
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[現代語訳]
わたくしの恋は、たとえて申せば、細谷川の丸木橋のようなもの、踏み返され踏み返されして濡れておりますように、文返され文返されて、私の袖も涙に濡れており ます
by林望『謹訳平家物語』
69 ただ頼め ほそ谷川の まろき橋 ふみかへしては 落ちざらめやは
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[現代語訳]
頼りに思いなさいませ、細谷川の丸木橋とあれば、踏み返して落ちぬということもございますまい…・・・文返いても、あなたの手に落ちぬということもござ いますまい
by林望『謹訳平家物語』