平家物語の和歌で古典力アップ!「巻七」
平家物語の和歌で古典力アップ!
『源氏物語』はなんとなく知っているけれど、『平家物語』はさっぱりわからないのでは?
源氏と平氏は、源平合戦で対立するものという認識があるでしょうか?
『平家物語』は軍記物語呼ばれ、合戦を描いています。
『源氏物語』とは一味違う世界をしてみてはいかが?
このサイトは、『平家物語』に出てくる和歌だけに絞って、単語力の強化や『平家物語』が読んだ気になれるような感覚を持つために作成しました。
【このサイトを特におすすめする人】
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受験生で古典単語が全然わからない人
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受験生で和歌が全然わからない人
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『平家物語』を軽〜く知りたい人
では、早速学びスタート!
46 ちはやぶる 神に祈りの かなへばや しるくも色の あらはれにけり
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[現代語訳]
千早振る神に祈ったその願いが叶うということであろうか、こんなにもはっきりと形になって現れたことだな
by林望『謹訳平家物語』
47 平らかに 花咲く宿も 年経れば 西へ傾く 月とこそ見れ
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[現代語訳]
平安に花が咲いているのかと思っていても…平家が栄華を誇っているように見えても、やがて年月が経てば西の空へ傾く月を見ることになる
by林望『謹訳平家物語』
48 いかにせん 藤の末葉の 枯れゆくを ただ春の日に まかせてやみん
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[現代語訳]
さあどうしたものであろう。藤の末の葉が枯れてゆく・・・・・藤原の家の子孫が落ちぶれていくのを、今はただ、春日大明神の御心に任せてみる・・・・・そのまま京に留まることにしようか
by林望『謹訳平家物語』
49 さざ浪や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな
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[現代語訳]
さざなみの志賀の古都は、もうすっかり荒れ果ててしまったけれど、ただ昔ながらに長等山(ながらやま)の山桜だけは美しく咲いているではないか…
by林望『謹訳平家物語』
50 あかずして 別るる君が 名残をば 後の形見に つつみてぞおく
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[現代語訳]
飽き足りぬ思いのままに別れていくそなたの名残の琵琶をば、のちのちまでの想い出として、包んでおくことといたそうぞ
by林望『謹訳平家物語』
51 呉竹の 筧の水は かはれども なほすみあかぬ 宮の中かな
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[現代語訳]
呉竹を掛け渡した寛の水は、もうすっかり昔と変ってしまった…・・・・時世の流れは昔と変ってしまったけれど、なおその水は澄みきっていて、どうあっても住み飽きることのないのは、この仁和寺の宮の内でございます
by林望『謹訳平家物語』
52 あはれなり 老木若木も 山桜 おくれ先だち 花は残らじ
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[現代語訳]
思えば哀れなことじゃ、老木にせよ若木にせよ、山桜は咲いて散ることの運速はあっても、いずれ花が残るはずもないのだから
by林望『謹訳平家物語』
53 旅衣 よなよな袖を かた敷きて 思へば我は 遠くゆきなん
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[現代語訳]
これからは、ただ一人、旅の衣の袖を寂しく片敷いて…、ああ思えば私は、遠くへ行ってしまおうとしているのですね
by林望『謹訳平家物語』
54 はかなしな 主は雲居に 別るれば 宿は煙と 立ちのぼるかな
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[現代語訳]
ああなんと懐いことであろう、あれらの邸の主は、これから雲居遥かな西国へ落ち別れてゆく、その跡はこうして煙となって立ち上っているばかりだああなんと懐いことであろう、あれらの邸の主は、これから雲居遥かな西国へ落ち別れてゆく、その跡はこうして煙となって立ち上っているばかりだ
by林望『謹訳平家物語』
55 故郷を 焼野の原と かへりみて 末も煙の 波路をぞ行く
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[現代語訳]
こうして捨ててきた都は、今や焼け野が原となって煙に覆われているのを返り見て、この先も潮歴のたつ波路を行くばかりだ.…
by林望『謹訳平家物語』