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万有引力による位置エネルギー


概要

万有引力は、重力と同じように仕事が経路によらない保存力であるので、重力による位置エネルギーと同じように、万有引力による位置エネルギーを考えることができる。この位置エネルギーの式を求めよう。

位置エネルギーは定義が大事なので、アレルギー反応を起こしている方は、まずは次の用語をれぞれ辞書で確認しよう。

結論としては、質量 の地球の中心 から距離 の点 にある、質量 の物体が持つ万有引力による位置エネルギー は、

となる。

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万有引力が保存力であることの証明は高度な数学が必要となるので、ここでは重力が保存力であることから「まあ同じような万有引力も保存力なんだろう」と納得しよう。以下、位置エネルギーの式の導出を行う。

ちなみに、動画で学んでイメージを持ちたい! という方には、サクッと見られる長旅Pさんのちょこっと物理や、しっかり学べるTry ITさんの動画がオススメ。

万有引力による位置エネルギー

質量 の地球の位置を原点とし、直線上で考える(平面の場合の補足は後で)。位置 での位置エネルギー を、位置エネルギーの定義を用いて求める。

位置エネルギーの基準点を とする。

位置 にある質量 の物体にはたらく万有引力は、原点方向に、

となる。

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よって、万有引力による位置エネルギーはその定義より、 につり合う外力が、基準点 から位置 まで物体を動かすときにする仕事として求めることができ、

となる。(積分公式は、数学Ⅲのxのp乗の積分公式を参照)

※力が位置によって変わるため、仕事は単なる掛け算ではもとまらず、積分の出番。詳しくは仕事の辞書を参照。

万有引力による位置エネルギーを考える際には、通常基準点を無限遠にとるので、 として、

と求められる。

なお、平面の場合には、万有引力が保存力であることを利用して、途中で弧を描くルートをうまく選んで考えると良い。弧を移動する間は仕事が になるので、結局直線上の仕事のみ考えれば良く、上の議論と同じようにして示すことができる。

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補足

同じく逆二乗則に沿った「静電気力」による位置エネルギー、つまり「電位」の辞書と同じような議論を展開しているので、復習しておくととても理解が深まる。

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