昼の光が静かに降りそそぐ宮殿のテラスで、アラジンはゆっくりと腰を下ろしていた。外の景色は、彼の冒険心を刺激するように雄大で、川の水面は太陽を受けてきらきらと揺れ、遠くには砂岩の塔や湾曲したアーチ、幾何学模様の壁が広がり、古いアラビアの街並みがまるで絵物語のように並んでいた。
テラスの卓上には、昼のランチが丁寧に並べられていた。
ミントの香りが立つホットティー、柔らかなラム肉を煮込んだタジン、スパイスとナッツを敷き詰めたマクルーバ、そして薄い生地を幾層にも重ねて蜂蜜を染み込ませたバクラヴァ。香り高く豊かな食事。
アラジンは湯気の立つティーを手に取り、川向こうの街並みを眺めながらつぶやいた。
「昔はこんな光景を、屋根の上からこっそり見てたんだよな。まさか自分の席から眺められる日が来るとは思わなかった。」
風がテラスの奥のカーテンを揺らし、ナツメヤシの甘い香りがふっと流れ込んでくる。
タジンの蓋を開けると、スパイスの香りがふわりと立ちのぼった。
「サフランとクミン……。この香りを嗅ぐと、旅をしていた頃を思い出すなあ。砂漠の夜や、星を頼りに進んだ道のことも。」
遠くで市場の声が聞こえる。行商人の呼び声、香料を量る音、金属器が触れ合う微かな響き。それらはアラジンにとって、若い頃の記憶を呼び起こす懐かしい音だった。
彼はバクラヴァを一口かじり、ほんの少し笑った。
「これはうまい。こういう濃い甘さがアラビアの昼って感じだな。」
ふと、テラスから街を見渡しながら、アラジンは紅茶のティーカップを手に取り、ひとりごとのように語り続けた。
「ミントって生まれるべくして生まれてるよな?君、ほんと最高だよ。」
柔らかな風がテラスを渡り、ミントティーの香りが静かに空気へほどけていく。
アラジンはゆっくりと瞼を閉じ、胸の奥まで深く息を吸い込み、背伸びをする。
「この穏やかな昼の瞬間が、心を一番静かにしてくれるよ。この景色に身を委ねて、食事を味わえるだけで十分だ。」
光がテラスに降りそそぎ、川面はきらめく鱗のように揺れ、遠くの街並みは古い息遣いを保ったまま低く囁き合っている。スパイスの香りがその全てをそっとひとつに結びつけていた。
それは冒険の喧噪とはまったく違う、しかし心の奥に深く刻まれていく静かな時間だった。
まるで物語が一瞬だけ呼吸を整えたような、澄んだ昼のひととき。
【Music List】
0:00 Arabian tea time
26:10 Carried on the scent of mint
50:05 Let your lunchtime be elegant
1:14:21 K4RMA
1:38:59 Arabic Menace
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