ミツバチの8の字ダンス②(問題演習編) 高校生物
2分56秒
説明
【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
ミツバチの8の字ダンスについての問題演習です。
基本の授業はこちら
• ミツバチの8の字ダンス①(基本編) 高校生物
●巣箱でのダンスにおいて、通常、常に真上の方向を太陽の方向とみなすことに注意せよ(8の字ダンスは垂直巣面で行われる。ダンスの直進部と鉛垂線のなす角が、太陽ー巣ーえさ場のなす角をあらわしている。つまり、視覚情報で得た餌場の位置情報を、重力情報に変換して指示している)。
*ただし、人為的に(実験的に)この軸(鉛直上方を太陽のある方向とする軸)をずらすことができる(ミツバチを混乱させ、軸をずらすことができる。すなわち、真上が太陽の方向ではなくなる)。たとえば巣面を明かりで照らしたり、巣面を青空に露出させると、人間の目から見ると、指示角はずれる(ただし、指示を受ける側のミツバチの軸もずれるため、えさ場の位置は正確に伝わる)。
●ミツバチは、太陽コンパス(動物が太陽を基準にして定位方向を決めるシステム)と時間感覚を協調させることで、未経験の時間における太陽の位置を推定し、えさ場の位置を指示することができる。午後に外出したミツバチは、午前に他個体にえさ場を指示することができる。
●巣の中からは空が見えない。ミツバチどのように太陽の位置を推定するのか?実は、ミツバチには、人間には見えない、太陽からくる紫外線のパターン(偏光の振動方向)を感知する能力があり、直接空と太陽を見なくても、太陽のある方向を知ることができるのである。同じ理由で、曇りの日、太陽が見えない日でも、太陽のおおよその位置を知ることができる。
●ミツバチのダンスは、蜜あるいは花粉を発見したミツバチのワーカー(働き蜂)が帰巣後、巣板にいる同胞に情報を伝えるため、腹部をはげしく振動させながら歩きまわる行動である。フリッシュが詳しく研究した(フリッシュはノーベル賞を受賞した)。
●体表に残る花の香は蜜源植物の香を伝え、また蜜源の距離が巣から約100 m未満の場合には円を描く円形ダンスとなり、それより遠い場合には重力方向に対し一定の角度を保ってまず直線を描き、次に右または左に回転してもとの位置に戻る8の字ダンスを躍る。直線部が重力の反対方向(鉛直上方)となす角は、巣から見て太陽の方向と餌の方向とのなす角に一致する(太陽コンパス)。
さらにダンスの速さは距離に反比例し、これによって距離情報を伝達している。
ダンスの継続時間が長いほど蜜源が豊富で出動する働き蜂が多数必要なことを示す。
●ミツバチのダンスはフリッシュが詳しく研究した(フリッシュはノーベル賞を受賞した)。
「ミツバチが特定の指示でも受けないかぎり、前もって予測もできないような場所に餌場をもうけてみた・・・濃い砂糖水を置いてみたところ、ミツバチが早速これを認め、まもなくそれに対応して巣箱ではダンスが始められ、数分後には、新たなミツバチがこの隠された場所へ群をなして集まってきた。この光景を見た私のありのままの気持は、ショックに近いものだった。・・・しかし事実はあくまで事実であった。」「ミツバチはなんらかの方法で、目的地の方位を相互に伝えあっている、という説明以外には言いようもなかった。」フリッシュ『ある生物学者の回想』より
#高校生物
#ミツバチ
#8の字ダンス
ミツバチの8の字ダンスについての問題演習です。
基本の授業はこちら
• ミツバチの8の字ダンス①(基本編) 高校生物
●巣箱でのダンスにおいて、通常、常に真上の方向を太陽の方向とみなすことに注意せよ(8の字ダンスは垂直巣面で行われる。ダンスの直進部と鉛垂線のなす角が、太陽ー巣ーえさ場のなす角をあらわしている。つまり、視覚情報で得た餌場の位置情報を、重力情報に変換して指示している)。
*ただし、人為的に(実験的に)この軸(鉛直上方を太陽のある方向とする軸)をずらすことができる(ミツバチを混乱させ、軸をずらすことができる。すなわち、真上が太陽の方向ではなくなる)。たとえば巣面を明かりで照らしたり、巣面を青空に露出させると、人間の目から見ると、指示角はずれる(ただし、指示を受ける側のミツバチの軸もずれるため、えさ場の位置は正確に伝わる)。
●ミツバチは、太陽コンパス(動物が太陽を基準にして定位方向を決めるシステム)と時間感覚を協調させることで、未経験の時間における太陽の位置を推定し、えさ場の位置を指示することができる。午後に外出したミツバチは、午前に他個体にえさ場を指示することができる。
●巣の中からは空が見えない。ミツバチどのように太陽の位置を推定するのか?実は、ミツバチには、人間には見えない、太陽からくる紫外線のパターン(偏光の振動方向)を感知する能力があり、直接空と太陽を見なくても、太陽のある方向を知ることができるのである。同じ理由で、曇りの日、太陽が見えない日でも、太陽のおおよその位置を知ることができる。
●ミツバチのダンスは、蜜あるいは花粉を発見したミツバチのワーカー(働き蜂)が帰巣後、巣板にいる同胞に情報を伝えるため、腹部をはげしく振動させながら歩きまわる行動である。フリッシュが詳しく研究した(フリッシュはノーベル賞を受賞した)。
●体表に残る花の香は蜜源植物の香を伝え、また蜜源の距離が巣から約100 m未満の場合には円を描く円形ダンスとなり、それより遠い場合には重力方向に対し一定の角度を保ってまず直線を描き、次に右または左に回転してもとの位置に戻る8の字ダンスを躍る。直線部が重力の反対方向(鉛直上方)となす角は、巣から見て太陽の方向と餌の方向とのなす角に一致する(太陽コンパス)。
さらにダンスの速さは距離に反比例し、これによって距離情報を伝達している。
ダンスの継続時間が長いほど蜜源が豊富で出動する働き蜂が多数必要なことを示す。
●ミツバチのダンスはフリッシュが詳しく研究した(フリッシュはノーベル賞を受賞した)。
「ミツバチが特定の指示でも受けないかぎり、前もって予測もできないような場所に餌場をもうけてみた・・・濃い砂糖水を置いてみたところ、ミツバチが早速これを認め、まもなくそれに対応して巣箱ではダンスが始められ、数分後には、新たなミツバチがこの隠された場所へ群をなして集まってきた。この光景を見た私のありのままの気持は、ショックに近いものだった。・・・しかし事実はあくまで事実であった。」「ミツバチはなんらかの方法で、目的地の方位を相互に伝えあっている、という説明以外には言いようもなかった。」フリッシュ『ある生物学者の回想』より
#高校生物
#ミツバチ
#8の字ダンス
タグ
# 矢口先生
# ミツバチ
# 8の字ダンス