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植物の光受容体 高校生物


矢口はっぴー

13分54秒

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説明

【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
植物の光受容体(フィトクロム・フォトトロピン・クリプトクロム)についてわかりやすく講義します。
語呂「聞こえる?トトロよー?(気孔、フォトトロピン、葉緑体定位運動)」
フォトトロピンがフォトトロピズム(光屈性)に関わることは、語源そのままなので語呂合わせを使うまでもない。
語呂「クリップで身長とめる(クリプトクロム、伸張抑制)」
語呂「もやしと栗と(もやし状、クリプトクロム)」

問題:フィトクロムは赤色光と遠赤色光、フォトトロピンは( ① )色、クリプトクロムは( ② )色を主に受容する。空欄を埋めよ。
答え:①②青

問題:光屈性に関わる光合成色素は何か。
答え:フォトトロピン


●植物は、いくつかの光受容体によって光刺激を受容している。
(1)フィトクロム
・光発芽種子や花芽形成における光条件の感知には、フィトクロム(phyto=植物、chrome=色素)とよばれる色素タンパク質が光受容体(光エネルギーを吸収して生物に一定の機能を果たす物質の総称)として関与している。光周性における光の感知にもフィトクロムが関与している。
・フィトクロムには、赤色光吸収型(Pr)と遠赤色光吸収型(Pfr)がある。遠赤色光吸収型のフィトクロムは、遠赤色光(波長730nm)をよく『吸収』して赤色光吸収型に変化する。同様に、赤色光吸収型のフィトクロムは、赤色光(波長660nm)をよく『吸収』して遠赤色光吸収型に変化する。
*赤色光を当てると赤色光吸収型が増えるのではないことに注意。
*生理学的にはPfr型が活性型で、Pr型は活性をもたないとされる。
*英語で赤色光は「red light」、遠赤色光は「far red light」と書く。
(2)クリプトクロム
・クリプトクロム:青色光を受容する色素タンパク質。茎の伸長成長の抑制に関与(長年性質が不明だったため、隠れた=クリプト、色素=クロムから名づけられた)。
詳細:クリプトクロムは光形態形成(環境の光情報によって発生や分化の過程が制御される現象)に関わる。薄暗いところで発芽した植物は「もやし状」になるが、光を照射すると「もやし状」になる反応が阻害される(暗所で発芽させた植物は緑色にならず、黄白色でひょろひょろと長くなり、葉も発達しない)。
クリプトクロム欠損突然変異体では、明るいところでも、青色光を感知できず、「もやし状」になる。
*光がない所で太くなったり、葉を展開したりしても、無駄である。暗い所では、まずはひょろひょろと細く伸びて、明るい所に出た方がよい。
*もやし状=胚軸が長い。子葉を広げない。子葉に葉緑体が発達しない(黄色になる)。
*クリプトクロムはまだ謎が多く、動物にも見られる。クリプトクロムは、植物においては光形態形成や概日時計の光調節などに、動物においては概日時計の光調節、発振および磁気受容に関与するとされる。
(3)フォトトロピン
・フォトトロピン:青色光を受容する色素タンパク質。光屈性に関わる光受容体はフォトトロピンである(「フォトトロピン」という名の由来はphoto[光]tropis[屈性]である)。
・フォトトロピンは他にも気孔の開口や、葉緑体光定位運動(葉緑体が光環境に応じて細胞内を移動する現象)にも関与していると考えられている。
・葉緑体定位運動には、アクチンフィラメントが関わると考えられている。

●陸上植物では、主に赤・遠赤色光を吸収するフィトクロム、および青色光を吸収するクリプトクロム、フォトトロピンが主要な光受容体である。藻類、バクテリア、菌類などでも、これらの光受容体に類似した多様な光受容体がある。植物の発生や分化の過程は、生活環を通じてこうした光受容体から得られる光情報の制御をさまざまに受け、このような現象は光形態形成と呼ばれる。



0:00 概要
1:48 フィトクロム
7:04 フォトトロピン
10:54 クリプトクロム


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