香川県がうどん県と呼ばれる理由とは?
(サムネイルはPhotoshopにて生成)
皆さん、こんにちは。
突然ですがうどん県という言葉を耳にしたことはありますか?
うどん県は四国地方に位置する香川県の愛称です。
この呼び名のきっかけは、2011年に香川県が「うどん県、それだけじゃない香川県」というキャッチコピーでプロモーションビデオを公開したことがきっかけでした。
このプロモーションビデオによりうどん県という名称が話題を呼び、香川県の知名度は大幅に向上しました。
今回は香川県でうどんが愛される理由について地理的要因などを交えて話していきます。
香川県でうどんが愛される理由
香川県でうどんが広く愛される背景には、地域特有の自然条件や地理的な要因が深く関わっています。
次に挙げる3つのポイントが、香川県でうどん愛された大きな理由です。
降水量の少なさと小麦栽培
香川県は、四国山地と瀬戸内海に挟まれ、他の地域と比べて降水量が非常に少ないです。
同時に米作りに欠かせない水資源が不足しがちで、水田での稲作が難しい環境でした。
そのため香川県では稲作の代わりに、少ない水でも育つ小麦の栽培が盛んになりました。
小麦はうどんの主原料であり、小麦栽培が進んだことで、自然と小麦を使った食文化が根付いていきました。
ため池の存在
香川県は降水量が少ないため、古くから水不足に悩まされてきました。
水の確保のため、至る所にため池が造られました。その数なんと約15,000箇所です。この数は全国で見ても珍しい数のため池です。
これらのため池は、小麦の栽培に必要な水を安定的に供給し、小麦の生産を支えました。
ため池の存在により、小麦栽培が可能となり、香川県の人々の生活にうどんが浸透していきました。
瀬戸内海の恩恵による塩の供給
うどん作りには塩が必要不可欠です。
香川県は瀬戸内海に面しており、古くから塩の生産が盛んに行われてきました。
瀬戸内海は水質が良く、塩作りに適した環境が整っていたため、塩の生産が円滑に行われました。
香川県では、瀬戸内海の塩と小麦が豊富に手に入るため、うどん作りに必要な材料が地元で揃い、うどん文化が発展したと考えられています。
(瀬戸内海)
(香川県内にて著者が撮影)
現在の香川県とうどん文化
このように、小麦の栽培、ため池による水の確保、瀬戸内海の塩の供給という要因が相まって、香川県ではうどんが県民の生活に深く根付いていきました。
現在では、香川県は日本国内で人口当たりのうどん屋の数が最も多いとされています。
私自身よく香川県を訪れますが、まるでコンビニよりも多いかのように、至る所でうどん屋が目に入ります。
香川県内のうどん屋では、讃岐うどんと呼ばれるコシの強い独特のうどんが提供され、多くの地元客や観光客がその美味しさを求めて訪れます。
また、香川県のうどんは非常に安い値段も特徴の1つで、香川県民にとって欠かせないソウルフードとなっています。
(香川県の讃岐うどん)
(香川県内にて著者が撮影)
丸亀製麺について
ここでひとつ、うどん県にまつわる小話をご紹介します。
皆さん、丸亀製麺といううどんチェーン店をご存知でしょうか?
全国に展開するこのチェーン店の名前には「丸亀」が入っていますが、これは香川県丸亀市が名前の由来です。
創業者が丸亀製麺をつくる前に香川県丸亀市のうどん屋を訪れそのスタイルをモチーフにしたからとされています。
しかし、意外にも丸亀製麺は香川県内には1店舗しかありません。それは地元のうどん文化が根強いためです。味や値段など全国で人気の丸亀製麺を持ってしてもうどん県のうどん屋には勝てませんでした。そのため丸亀製麺があまり進出していない地域でもあります。
このエピソードは、香川県の地元うどん文化がいかに強く根付いているかを示す一例です。
小豆島とそうめん文化
また香川県の離島に行くと同じ小麦を使用した別の食文化が発展しています。
香川県の離島である小豆島はそうめんが有名で浸透しています。そうめんはうどん同様、原材料は小麦です。
小豆島そうめんは瀬戸内海の恵みを受け、手延べ製法で丁寧に作られています。
特にオリーブ油を使用した製法が特徴で、独自の風味と滑らかな食感が楽しめるそうめんとして知られています。
島の気候や風土がそうめん作りに適しており、地元の伝統産業としても大切にされてきました。
小豆島そうめんは、香川県のうどんと並ぶ地元の誇りであり、訪れる観光客にも人気です。
香川県を訪れた際には、ぜひうどんだけでなく、小豆島そうめんも味わってみてください。
香川県のうどん文化と観光への影響
香川県がうどん県としてブランド化されたことで、観光業にも大きな影響がありました。
うどん県というキャッチコピーは、多くの観光客を香川県に呼び寄せ、地元経済にも貢献しています。
県内にはうどんツアーと呼ばれる、さまざまなうどん屋を巡る観光プランもあり、地元のうどんを味わうことを目的に訪れる観光客も多いです。
讃岐うどんは日本全国で親しまれる存在となり、香川県の名産品としても認知度が高まっています。
また、香川県では地元のうどん職人が開催するうどん打ち体験や、県内のうどん屋の競争イベントなど、観光客がうどん文化をより深く楽しめるプログラムも用意されています。
これにより、香川県を訪れた人々は、単に観光地を巡るだけでなく、うどんの歴史や作り方にも触れることができ、うどん県こと香川県への理解がさらに深まります。
まとめ
香川県がうどん県として知られるようになった背景には、「うどん県、それだけじゃない香川県」というキャッチコピー。そしてプロモーションビデオの成功もありますが、それ以前から、降水量の少なさや瀬戸内海の恩恵といった自然環境がうどん文化を支えてきました。
県民にとってうどんは単なる食べ物ではなく、生活の一部であり、地域の誇りでもあります。
さらに、小豆島でのそうめん文化も含め、香川県では小麦を使用した多様な食文化が広がっていることがわかります。
皆さんも香川県に足を運ぶ機会があればぜひ、地元のうどんを堪能し、そして小豆島そうめんを味わい、香川県の豊かな食文化に触れてみてはいかがでしょうか?
観光を通してその土地の風土や人々の生活に触れることで、香川県がうどん県として愛され続ける理由をより一層実感できることでしょう。
最後までありがとうございました。