【実は長生き!?】セミの哀しすぎる生涯!
この夏の暑い時期、夏の風物詩といえば「海」「花火」、そして「ミンミンミンミン」と鳴くセミも欠かせません。
そんなセミですが、多くの人が「セミは1週間前後しか生きない」と認識しているかもしれません。しかし実は、セミは“長生きで哀れな生物”でもあるのです。
今回は、そんなセミの“長生きで哀れな生涯”について紹介します。
セミの寿命は「1週間」ではない?
皆さんがよく目にする「ミンミンミン」と鳴いているセミ。これは成虫の姿で、言うなれば大人のセミです。そしてこの姿のまま地上で生きていられるのは1週間前後と言われています。
しかし「セミの寿命=1週間」というのはまったくの誤解なのです。正しくは成虫としての寿命が約1週間ということです。
実際には、成虫として表に出る前に「幼虫としての長い時間」が存在します。
地中で3年〜7年…その間何をしている?
セミは、まず成虫のメスが木の枝や幹に切れ込みを作り1匹あたり数百個の卵を産みます。
その卵は1〜2か月でふ化し、幼虫となって地面に落下。自力で地中にもぐり、木の根などから栄養を吸収しながら、なんと3〜7年もの間、地中でひっそりと生き続けるのです。
これがセミの本当の「寿命」となり、外からは見えないだけで、彼らは“何年も生きている”のです。
地上に出るのは、生涯最後の1週間だけ
毎年6月末から8月にかけて、成長した幼虫は地中から出てきて、木や壁などに登り、「羽化」します。よく見かける“セミの抜け殻”は、この瞬間に幼虫の姿から羽を広げた成虫へと変わった証です。
そして、羽化して成虫となったセミは、主に繁殖を目的として約1週間、地上で生きます。
そして「ミンミンミン」と鳴いているのは実はオスだけなのです!
これはメスを呼ぶための求愛行動とされています。運良くメスと出会い繁殖できれば、メスはまた卵を産み、命を終えますが、悲しいことに繁殖の機会を得られないまま、静かに命を終えること珍しくありません。
アメリカには「周期セミ」も存在する
ちなみにアメリカには、「周期セミ」と呼ばれる種類も存在します。これは13年周期や17年周期で地中から出てきて、ある年に一斉に大量発生するというもので、ニュースなどで見たことがある方もいるかもしれません。
ただし、これはアメリカ特有の現象であり、日本で周期的なセミの大発生はありません。
セミの生涯から学ぶこと
このように、セミという生き物は「1週間しか生きられない哀れな生き物」と思われがちですが、実際には3〜7年という長い年月を地中で過ごし、たった1週間だけ地上で命を燃やすという生涯を送っています。
誰にも見られず、評価されずとも、彼らはその時を信じて待ち続け、最後に羽を広げて飛び立ち、命をつなぐのです。
ここにいる皆さんも、今はまだ“地中で努力している状態”かもしれません。何もしていないように見えても、力を蓄えている時間です。だからこそ自信を持ちそして、来たるべきその時に、セミのように自分の力を存分に発揮できるよう、準備を続けていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。