【日本史】明治維新まとめ 日本が行った近代化改革とは?
はじめに
明治維新って聞いてなにを思い浮かべますか?
将軍、武士中心の幕府から打って変わり、新政府では天皇を中心に新たな政治理念を提示し、欧米先進列強諸国と肩を並べるために新体制で近代化を進めます。
当時、それらは〝御一新〟と呼ばれ、新しい時代の到来として大きな期待がかけられていました。
今回はそんな明治維新についてわかりやすくまとめていきます!
【前提】明治維新を行う意義とは?
富国強兵・近代化の必要性
欧米列強がアジア諸国を次々と植民地化する中、日本も独立を維持するためには、西洋の制度や技術を取り入れ、強い国家を作る必要がありました。
新政府は、西洋の政治・軍事・経済のシステムを導入し、日本を近代化することを目的としていました。
中央集権国家の構築
江戸時代の日本は、各藩が強い自治権を持つ幕藩体制でしたが、これは統一的な政策を実行する上で障害となっていました。
そこで新政府は、中央集権体制を確立し、効率的な国家運営を目指しました。
天皇を中心とする国家体制の確立
新政府は、王政復古を掲げ、「天皇を中心とする近代国家」の形成を進めました。これは、欧米諸国と対等な国際関係を築くためにも有効であり、国内の統一を図る上でも重要でした。
つまり、新政府が明治維新を行ったのは、幕藩体制の限界を打破し、富国強兵・近代化を推進するためでした。そのために中央集権体制を確立し、天皇を中心とした新たな国家体制を築くことが必要だったのです。
新しい政治の基本方針を示す
五箇条の御誓文(1868年)
新政府の基本方針を示したもので、議論を尽くして政治を行う・身分を問わず能力のある者を登用・海外の知識を取り入れるなどの方針を掲げました。
よく間違えがちな王政復古の大号令と五箇条の御誓文ですが、「王政復古の大号令」は政権交代の宣言、「五箇条の御誓文」は新政府の運営方針を示したものです。
五榜の掲示(1868年)
幕府が倒れ、新政府が安定するまでの間、人々の混乱を防ぐため、幕末から明治初期にかけての社会秩序を維持することを目的に発布されました。
中央集権体制の強化
版籍奉還(1869年)
大名が支配していた土地(版)と人民(籍)が天皇に返還されました。ただし、旧大名は「知藩事(ちはんじ)」として引き続き藩を統治しました。
廃藩置県(1871年)
全国の藩を廃止し、「府」と「県」に再編しました。知藩事を廃止し、中央政府が任命する府知事・県知事を配置、政府が直接統治する体制を確立し、藩の独立性を完全に消滅させました。
太政官制の確立(1868年~)
新政府の行政組織として太政官を中心に中央集権体制を整備。地方行政も中央の指揮下に置く仕組みを作りました。
経済・産業の近代化
地租改正(1873年)
土地の所有者に対し、地価の3%を地租(税金)として現金で納めさせる制度を導入。これにより、安定した税収を確保し、資本主義経済の基盤が整備されました。
殖産興業(近代産業の育成)
政府主導で近代産業を発展させる政策。官営工場(富岡製糸場など)の設立、鉄道(1872年、新橋~横浜間)や郵便制度の整備、西洋技術の導入を進めました。
富国強兵を目指す
徴兵令(1873年)
満20歳以上の男子に兵役を義務付けました。これにより、藩の武士に頼らない、国家主導の常備軍が整備されました。
社会・教育の改革
四民平等
士農工商の身分制度を廃止し、平等な社会を目指しました。
学制(1872年)
6歳以上の男女に小学校教育を義務付けました。近代的な教育制度を整備し、識字率を向上させることで、近代化を促進しました。
明治維新によって生じた問題
明治維新の結果、日本は近代国家としての基盤を確立し、列強の一員となる道を歩むことになりました。しかし、急速な近代化による社会の混乱や、後の帝国主義への傾斜など、新たな課題も生じました。
士族の不満と反乱
特権の喪失
- 四民平等(1869年) : 武士の身分制度が廃止され、経済的・社会的地位が低下。
- 秩禄処分(1876年) : 武士への給与(家禄・秩禄)が廃止され、生活に困窮。
- 廃刀令(1876年) : 刀を持つ特権が奪われ、士族の反発を招く。
士族反乱の発生
- 佐賀の乱(1874年):江藤新平ら旧士族が反乱。
- 神風連の乱(1876年):熊本で士族が蜂起。
- 西南戦争(1877年):西郷隆盛が政府に対して最大の士族反乱を起こすが敗北。
農民の負担増加と反乱
地租改正(1873年)による農民の負担増
地価の 3%を現金で納める「地租改正」 により、農民の負担が増加しました。不作の年でも税を現金で支払わなければならず、多くの農民が困窮しました。各地で「地租改正反対一揆」が発生し、政府は1877年に税率を2.5%に引き下げました。
最後に
いかがだったでしょうか?明治維新の分野は論述でもよく出されるので各政策の内容や結果、それによって生じた社会問題についてしっかりと理解しておきましょう!