紙の辞書を持ち歩け!
紙の辞書を持ち歩け!
どうもフジです。
今回は「紙辞書を持ち歩け!」というテーマ。
そもそも辞書の必要性を感じていない人、必要と思ってはいても紙の辞書にいい印象を抱いていない人は多いと思います。が、実は私はバッチバチの紙辞書派です。私が辞書を、あえて紙の辞書を推し続ける理由を紹介させていただきます。
すでに電子辞書をうまく使いこなしている方にとっては、あまり得るものはないような内容かもしれませんが、特に電子辞書の購入を検討している方や、そもそも辞書をあまり使わないという方には、きっと参考になると思います。
毎日2冊の辞書を持ち歩いた受験期
まずは、私自身の話をさせてください。
私が辞書の大切さに気づいたのは、高校2年生の夏頃でした。それまでは辞書なんてずっと学校のロッカーに置きっぱなしで、授業中に先生に「辞書引け」と言われてようやく開く程度の存在でした。正直、勉強において辞書がそんなに重要だとは微塵も思っていなかったんですよね。
ところが高2の夏を境に、私は完全に考えを改めます。それ以降は、ノースフェイスのボックス型リュックに2冊の辞書を縦に積んで入れ、毎日持ち歩くようになりました。リュックに教科書やテキストを入れると、両サイドにデッドスペースができるのですが、そこにぴったり収まるんですよ、英和辞典と古語辞典の2冊が(笑)
周りを見渡しても、辞書を毎日持ち歩いている人なんてほとんどいなかったような気がします。だけど私は、それをやって本当に正解だったと思っています。辞書を持ち歩くことが、私の勉強を変えたと言っても過言ではありません。
特に使い倒していたのは英和辞典でした。「辞書のどこがそんなにいいんだい?」と思う人もいるでしょう。私もかつてはそうでした。だけど高2の夏、私は心底思い知らされたんです。「これ辞書なしで勉強って不可能じゃね?今まで俺は何やってたんや?」と。あの衝撃の感覚を、今でもはっきり覚えています。
単語帳では見えない世界が辞書にはある
辞書を毎日持ち歩き、それを使い倒すようになったのは、「単語帳だけでは勉強は足りない」と痛感したからです。
最初は「単語帳さえ完璧に覚えれば、辞書なんて使わなくても受験勉強としては十分だろう」と思っていました。私は鉄壁という単語帳を使っていたのですが、「鉄壁をマスターした俺に死角なし。載ってない単語はレアすぎて、どうせ二度と出会わないだろ」と心から信じていました。でもそれが、大きな勘違いだったんですよね。
ある日、単語帳を家に忘れてしまい、仕方なく辞書で単語を調べてみたんです。すると、「え、単語帳に載ってた意味とちょっと違わないか?」と衝撃衝撃。
それもそのはずです。単語帳には、単語の最も重要で使用頻度の高い意味しか載っていません。端的に、簡潔にまとめてあるからこそ、使いやすい。しかし。逆に、その単語が持つ別の意味や細かいニュアンス、文脈での使われ方など、思いのほか肝心な部分が抜け落ちていることが多いんです。
辞書には、それらの情報がすべて載っています。例文も豊富だし、単語の使い分けの説明も詳細です。辞書を引くことで、「あ、この意味があることを知ってたら、この文章うまいこと日本語に訳せたやんけ!」と腑に落ちる瞬間が何度もありました。
この衝撃体験のあと、私は決意しました。「鉄壁」に載っているすべての英単語を辞書で引いてやろう…と(怖)。高2の夏から約1年かけて、辞書で一つひとつの単語を調べ、単語帳の余白に細かくメモし、それを徹底的に覚えました。それをやったおかげで、私が苦手としていた意訳、つまり一語一語にとらわれず、文章全体を理解する力も飛躍的に向上しました。いや別に、私みたいに、単語帳に載っている全ての単語を辞書で調べろとは言いませんよ。ただ、特に重要な単語やよく出る単語だけでも辞書で調べてみてほしい、そうすると英文の見え方が冗談抜きでガラッと変わるはずなんです。これはマジです。
簡単すぎる単語ほど辞書を引く価値がある
単語帳に載ってる(中でも重要度の高い)単語を辞書で調べてみてねと前節で伝えたので、そのついでに「簡単すぎる単語ほど辞書を引くべき」という話もしておきましょう。
多くの人が見落としがちなのが、単語帳にすら載っていないレベルの簡単な単語たち。「え、難しすぎて載ってない単語の話じゃなくて?」と思うかもしれませんが、はい、そうじゃないんです。簡単すぎて載っていない単語の話です。
例えば past という単語。
誰もが知っている単語でしょう。こんなの中学1年生でも知っている単語です。でも、past の意味をきちんと言える人って、意外と少ないと思うんです。多くの人が「(名詞)過去 / (形容詞)過去の」くらいの認識しかないんじゃないでしょうか。
でも辞書で調べてみると、「(副詞) (場所を)過ぎて、通り越して」「(副詞) <時が>過ぎて」「(前置詞) <時間>を過ぎて」「(前置詞) <人・場所>を通り越して」「(前置詞) <ある数量>を超えて」など、実に多様な意味が載っています。これを知らないまま past を含む英文を読むと、自分の知っている訳に無理やり当てはめようとしてしまい、おかしな和訳から抜け出せなくなってしまうってわけ。
私は過去に何度もこうした失敗をしてきましたが、皆さんはどうですか?言われてみれば、よくある話なのでは…?
「簡単だから大丈夫」と思ってスルーしていた単語に限って、実は非常に大事な意味を持っていたりするんですよね。だから私は、ちょっとでも「この単語、よく見るけど意味を曖昧にしか覚えていないな」と思ったら、必ず辞書を引くようにしていました。しかも、それを一冊のノートにまとめていました。そのノートは、今でも私にとって宝物です。
辞書を引くたびに、新しい発見があります。辞書は面倒くさいと思われがちですが、むしろ「辞書を引いている時間こそが勉強の本質」だと私は思っています(言い過ぎ)。
紙の辞書が最強だと私が思う理由
ここでようやく、紙の辞書を使うメリットをまとめておきたいと思います。今回の記事のテーマは「紙辞書を持ち歩け」ですからね。きちんと語らないのは許されないでしょう。
まず、最大のメリットは「記憶に残りやすい」という点です。
紙の辞書を使って調べ物をすると、「わからなかった単語の意味」だけでなく、その単語がどのあたりのページにあったか、その周辺にどんな単語が並んでいたか、どの意味にマーカーを引いたか、そういった情報がセットで脳に刻まれます。こうした、一見どうでもよさげな情報が絡み合うことで、記憶に残りやすくなるんです。
ページをパラパラ捲りながら探す過程も、地味に記憶の定着に寄与していると思いますし、1つのページに単語の全ての意味がまとまっているからこそ、その単語の全貌を俯瞰して捉えられる、これも紙辞書ならではのメリットだと私は感じています。
次に「辞書を復習に使える」という点も大きいです。
紙の辞書を使っていると、調べ物をしている最中に過去にマーキングした別の単語が目に入ってくることがあります。私の場合、特に前置詞なんかは使い方を覚えたかったので、辞書を捲るたびに付箋を貼ったページをパッと見返していました。こうして思いがけず復習の機会を作れるのは、紙の辞書ならではの良さだと思います。
そして、最後に「結局テストは紙媒体じゃん?」というのもありますね。
試験本番は紙媒体で行われることがほとんどです。だからこそ、インプットもまた紙媒体で行う方が、本番でのアウトプットに繋がりやすいと私は考えています。紙に印刷された文字を目で追う感覚、紙をめくる動作、そういったものがすべて記憶のフックになる。私はその感覚を信じています(時代に取り残されている可能性あり)。
もちろん、紙の辞書にもデメリットはありますよ。1つ目は「調べるのに時間がかかる」という点。電子辞書やスマホの方が圧倒的に早いのは事実です。そして2つ目は「重い」ということ。私のように辞書を2冊もリュックに入れていたら、普通の人なら肩を壊します。私は結構ガタイが良かったので耐えられましたが、分厚くてかさばるのも事実です。でも、それでも私は紙の辞書を選び続けてきました。紙の辞書には、それだけの価値があると信じています。
さてさて、辞書の必要性、紙の辞書の良さは伝わったでしょうか。
もし「辞書ってそんなに必要かな?」と思っている方がいたら、ぜひ一度、紙の辞書を手に取ってみてください。最初は少し面倒でも、その中に詰まった知識と情報の深さに、きっと心を打たれるはずです。そして気がつけば、重たい辞書を毎日持ち歩く自分を、ちょっと誇らしく思える日が来るかもしれません。
というわけで今回は以上。