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国際金融論とは?国際金融論を学ぶと世界がわかる!?


その他
2023年1月3日

近年「グローバル化」という単語を耳にすることが多いですよね。一度「グローバル化」の意味を確認していこうと思います。文部科学省によると「グローバル化」とは
【情報通信技術の進展、交通手段の発達による移動の容易化、市場の国際的な開放等により、人、物材、情報の国際的移動が活性化して、様々な分野で「国境」の意義があいまいになるとともに、各国が相互に依存し、他国や国際社会の動向を無視できなくなっている現象】
のことをいうそうです。

僕的に簡単に説明すると「グローバル化」とはヒト、モノ、カネ、情報が国境を超えて移動するようになり、各国の結びつきや繋がりが強くなってきた状態のことをさします。

今回はそんな「グローバル化」、特に「カネ」のグローバル化に着目した「国際金融論」という経済学の学問について、わかりやすくお伝えしていこうと思います!

現在ホットな話題でもある「円安」なども研究する分野であるため、経済学に興味がない方も必見です!国際金融論を勉強すると世界の現状について理解が深まるかもしれません、、、!

国際金融論とは?

まず初めに、国際金融論とは?といった疑問にお答えしていきます。
国際金融論の特徴を2つ挙げてみます。

  1. 国際金融論とは、国家間で行われる資産の売買等の、国家間のあらゆる経済活動を研究する分野である!
  2. 国際金融論とは、各国で行われる政策による他国への影響を研究する分野である!


それぞれについて例を用いながら解説していきます。

国家間の経済活動とは?

そもそも資産とは何でしょうか?
資産とは「土地・家屋・金銭などの財産。法律で、資本にすることができる財産。」のことをさします。つまり、皆さんが持っているお金も資産ですし、皆さんが住んでいる家も資産ということです。

では、「国家間で行われる資産の売買」とはどのようなことを指すのでしょうか?
国家間で行われる資産の売買の例としては、日本の円を売って、アメリカのドルを買ったりすることが該当します。
(円売りドル買いについてはこちらの記事で説明しています。)
他にも、海外の株式や国債を売買するといったことも「国家間で行われる資産の売買」に該当します。

国際金融論は「国家間で行われる資産の売買」を含むあらゆる国家間の経済活動を研究対象とし、「国家間の経済活動において、どのように資産の価格が決定されるのか」「国家間のお金の流れはどのようになっているのか」といった問題を勉強していきます。

また、「国家間の経済活動」の大きな特徴は、国によって通貨が異なることです。たとえば、日本では円が使用されていますが、アメリカではドルが使用されています。そして、通貨の間の相対的な価値は日々変動しています。2022年でいえば、円とドルを比較すると、「円の方が価値が低くて、ドルの方が価値が高い」と言えます。

「国家間の経済活動」には各国の通貨の価値が大きく影響します。そこで、国際金融論では「国家間の経済活動により、各国の通貨の価値はどう変動するのか」といった問題も考えていきます。

国際金融論とは?、国際金融論

自国の政策は、他国にも影響を与える

次に、「各国で行われる政策による他国への影響」について、金融政策を例にしながら解説していきます。

日々のニュースの中で、各国の政策の動向が報じられることがありますよね。特に2022年は「アメリカの中央銀行(FRB)が大幅な利上げをした」といったニュースを聞くことがあったと思います。

ここで疑問に思う方もいるでしょう。

「日本にいるのに、なんでアメリカの中央銀行の政策のニュースを報道しているの?私たちに関係あるの?」
といった感じに。

冒頭で伝えたように現代はグローバル化が進んでいる世の中です。たとえ、国や中央銀行が自国のための政策をしたとしても、その政策は自国だけではなく他の国にも何らかの影響を及ぼします。アメリカの中央銀行の政策はアメリカ国内だけではなく、日本やヨーロッパにも影響するということです。そして、国際金融論では政策が自国に与える影響だけではなく、政策が他国に与える影響も考えていきます。

私たちが住む世界は、江戸時代の鎖国の状態のような閉鎖経済ではなく、ヒト、モノ、カネが国境を超えて移動する世界、開放経済です。そういった世界を正確に理解するという観点において、国際金融論はより現実の世界に近い経済学の分野と言えるかもしれませんね。
(大学で学ぶ初歩的な経済学は、問題を簡単にするために閉鎖経済を想定して経済問題を考えることが多いです)

上で紹介した例以外にも、「米国で起きたリーマンショックがどのように世界に影響したのか」「オイルショックは各国にどう影響したのか」といったことも国際金融論で扱う分野になります。世界に大きな影響を与えた事象も研究対象なのは、ダイナミックで魅力的ですね。

国際金融論とは?

いかがでしたでしょうか?国際金融論への理解は深まったでしょうか?

コロナウイルスのショックにより一時は国家間のヒト、モノの流れが分断され、グローバル化とは逆の方向に進んだ面もあるかもしれません。しかし、現在も国境を超えてヒト、モノ、カネ、情報は移動しています。このような世の中においては、国際金融論の重要性は高まっていくのかもしれませんね。私自身、国際金融論の講義を履修したことがあり、昨今の「円安」や「金融政策」への理解を深められるようなことを学ぶことができたため、おすすめの経済学の分野です!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

*本記事はFascination with Economics【interview with Dr. Matthias Schlegl】Part 1をもとに書かれています。

この記事の著者

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しりょかわ

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