限界を超えると失格!?陸上競技0.1の謎

皆さん、こんにちは。
突然ですが、皆さんはスポーツの持つ意義にどのようなイメージを持たれますか?
きっと人それぞれいろんな意見があると思いますが、その中で1つ共通しているのは、「スポーツは人間の限界、己の限界を超えるためにある」ということではないでしょうか?
しかし、実は限界を超えると失格になるという、少し不思議なルールを持つ競技があるんです。
それは陸上競技です。
限界を超えてはいけない陸上競技
実は筆者は小学校2年生から中学校3年生までの約6年間にわたり陸上競技をしていたのですが、「0.1秒以内に反応したら失格になる」というルールに疑問を感じていました(実際に小中学生の大会ではそこまで厳密に問われることはほとんどありませんが…)。
この反応とは「リアクションタイム」と呼ばれるもので、100メートルや200メートルなどの短距離走で、スタートのピストルが鳴ってからの反応時間のことを指します。
このリアクションタイムが0.1秒未満で反応してしまうと、フライングとみなされ失格になるのです。
なぜこのようなルールがあるのか?
ではなぜ人間の限界を制限するようなルールが出来たのでしょうか?
それは、選手が予測でスタートするのを防ぐためでした。
このルールが定められた当時の科学的研究では、人間が聴覚でスタート音を聞いてから筋肉が動くまでの最短反応時間は、おおよそ0.12秒〜0.13秒だとされていました。
そのため、0.1秒未満で動いた場合は「音を聞く前に予測でスタートした」と判断をし、フライングとすることになりました。
実際に、2022年にアメリカにて開催された世界陸上オレゴン大会では地元オレゴン大学出身のデボン・アレン選手が0.099秒のリアクションタイムで失格になりました。
でもちょっと待ってください!
この0.1秒という基準は、あくまで過去に行われた研究に基づいた「人間の限界」だったはずです。
しかし本来スポーツとは、その限界を超えていくためにあるものではないでしょうか?
陸上競技に限らず多くのスポーツ競技では「そんなの不可能だよ」「人間には無理だよ」と言われた記録を打ち破り、世界新記録を樹立したり、メダルを獲得したりするのがアスリートです。
そして彼らは人間の可能性を証明し続けています。
その中で「限界を超えてはいけない」「限界より早く反応すると失格になる」というルールは、ある意味でその挑戦を妨げるある意味で本末転倒なルールとも言えるのではないでしょうか?
近年のトレーニング進化
現代では、反応速度を鍛えるトレーニングも発達しています。中には、0.1秒未満でのリアクションが現実的に可能な選手も出てきているかもしれません。
しかし現行ルールでは、たとえ科学的に反応可能になっていても「0.1秒未満=フライング=失格」となってしまうのです。
まとめ
このように陸上競技の0.1秒ルールは、かつての科学的研究をもとに公平性を守るために作られたものです。
ですが、時代は変わり、陸上競技に限らず反応速度を向上させるトレーニングも進化しています。
だからこそ、スポーツの意義も踏まえ「この限界を超えると失格になるルール」を見直す時期が来ているのではないでしょうか?
皆さんは陸上競技の限界を超えると失格になるルールについてどう思われますか?
最後までありがとうございました。