アプリも作れる!中央大学のAI・データサイエンス全学プログラムとは?【データサイエンス特集②】
昨今データサイエンス教育が盛り上がっていて、大学の学部やプログラムもどんどん増えていますが、どんなことができるのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで、「データサイエンスとはなんぞや?」シリーズの第2弾として、中央大学でデータサイエンス教育に関わっている職員の方に、「どのようなことを学べるのか」「どのような特徴があるのか」などについて、詳しくお話を伺いました!
中央大学を志望する人はもちろん、まだ志望校が決まっていない人にとっても、イメージを膨らませて、進路を考えるきっかけになるので、ぜひ読んでみてください。
データサイエンスの取り組みについて
- 最近、文科省により必須化されたAIやデータサイエンスについて、中央大学さんでは、どのような取り組みが始まっているのですか?
全学部の学生を対象として、「中央大学AI・データサイエンス全学プログラム」という独自のプログラムを行っています(詳しいサイトはこちら)。
- どのようなプログラムなのでしょうか?
まずはプログラムの概要をざっくりと紹介させていただきますね。
文系理系を問わず、全ての大学において学習が必須とされているリテラシーレベルと、大学生の半数が習得すべきものとされている応用基礎レベルをカバーしています。
図の右側、白地に青文字で書かれているものは、より専門的にデータサイエンスやAIを学ぶ学部や学科、専攻(例えば理工学部ビジネスデータサイエンス学科という、データサイエンスを専門とする理系の学科があります)のカリキュラムなのですが、「中央大学AI・データサイエンス全学プログラム」は、これとは別に、文系・理系あらゆる分野の学生が、それぞれの専門領域でAIやデータサイエンスを駆使できるようになる能力を身につけるためのプログラムになっています。
関西大学さん・法政大学さんと、データサイエンスについてのアイデアコンテストも行っていて、学んだことを実際にアウトプットする機会もあります。アーカイブ動画もあるので、ぜひ雰囲気を味わってみてください!↓
- ありがとうございます、概要がよくわかりました!ではまずはリテラシーレベルについて、実際にどのようなことを学べるのか、特徴を教えていただけますか?
まず、「AI・データサイエンスと現代社会」という科目は、大学生であれば誰もが知っておくべき基礎的な内容を習得するものです。オンデマンドで、いつでもどこでも受講可能で、年間6,000人が受講しています。この科目を履修し、単位を得た方には、リテラシーレベルの知識・スキルを身につけたものとして、オープンバッジというデジタル証明書がもらえます。
特徴的なのは、もう一つの「AI・データサイエンス総合」という科目でして、これは、実際の企業の方に来ていただき、第一線の方から社会で役立つスキルを学びつつ、社会のなかでAI・データサイエンスがどのように活用されているのか、議論を通じて理解を深めていきます。
2024年度は、ソフトバンク、KDDI総合研究所、マイナビ、アクセンチュア、あとは半導体で最近よく名前を聞くNVIDIAといった企業から、講師として来ていただきました。
こちらはオンデマンドと対面を組み合わせた、プロジェクト型の学びなのですが、提出した課題を、実務家の先生に直接見てもらえるのも大きなポイントです。
受講した学生からは、下の学年のうちに企業の人との付き合いができることで、将来のことを考えるきっかけになっている、という嬉しい声も聞きます。
- 社会の第一線で活躍中の方と議論ができるのはとても貴重な機会ですね!応用基礎レベルについては、どのような特徴があるのですか?
「AI・データサイエンスツール」は4つの科目からなっていて、Excelから始まり、PythonやRなどのプログラミングツールまで、実践的な使い方を学べます。Ruby on Railsという言語を学んで、実際にWebアプリを作るコースもあります。これも、実学を重視している中央大学ならではの科目かなと思います。
このうち、「AI・データサイエンスツールⅠ」という科目では教科書を市販していて、講義動画も公開しているので、一般の方でも受講できるのが大きな特徴です。大学でも年間3,500人くらいが履修しています。高校生でも受講できるので、興味のある方はぜひ見てみてください!(教科書はこちら)
もう一つの「AI・データサイエンス演習」は、いわばゼミです。中央大学では、かなり前から学部横断型のゼミを提供しているのですが、こちらも、どの学部にいても参加できるデータサイエンスに関するゼミ科目となっています。
担当教授の専門分野にもよりますが、分野横断的に、自分が興味のあるテーマを何でも研究できます。例えば、これまでの研究テーマとしては、このようなものがあります。
- Yahoo 知恵袋の回答者のパーソナリティーと言葉の選び方の癖の分析
- ダイエット商品の購入時の口コミの活用方法
- 練習時のトラッキングデータから見えた中央大学硬式野球部の現状
- 麻雀の局収支および着順予想モデルの構想と実装
- YouTubeにおける高評価の動画に共通する視聴者の特徴分析
- とても幅広いテーマですね。笑
そうなんです。これが学部横断型のゼミのいいところですね。このゼミは3年間通して行われるので、他の科目で知識やスキルを身につけながら、じっくりと実際のデータを活用した研究ができます。
「AI・データサイエンス演習」と、あらかじめ定められたいくつかの科目を修得すると、応用基礎レベルの知識・スキルを身につけた証明としてのオープンバッジがもらえます。
- 実学を重視される中央大学さんならではのプログラムだなと思いました。希望すれば誰でもゼミに入れるのですか?
大学1年生の11月に書類選考と面接があります。まだそこまでデータサイエンスの知識やスキルが身についていない時期だと思うので、大学でどういうことをやってきたか、ゼミでどのようなことがしたいか、といった内容を聞くようにしています。
- 入学してすぐにやってきますね。最後に、データサイエンスに限らず、高校生に向けたメッセージがあればお願いします!
自分を追い込みすぎないことが大事かなと思います。
先を見据えて、追い込んでやっていくことも大事なのですが、「何でも完璧にしなきゃ」と思ってしまうと途中で折れてしまう可能性もあります。例えば上で紹介したデータサイエンスのゼミは、3年間と長丁場になるのですが、途中で続けられなくなるケースも出てきてしまうんですよね。でも、将来を見据えつつ、いま自分がやっているプロセス自体をぜひ大事にしてもらって、そこに価値を感じてほしいと思います。
- ありがとうございました!
はい!インタビューはここまでです。いかがでしたか?
お話をお伺いして特に、
- 実学を重視し、プログラミングや研究までカバーされており、自分が興味のあるテーマをを突き詰められる点
- 文系・理系を問わず同じレベルの学びができる点
が、中央大学のAI・データサイエンス全学プログラムの魅力だなと思いました。
詳しく知りたい!という人は、下のバナーから飛んで、いろいろな情報に触れてみてください。
理系の方で、とことん学んでみたい方は、もちろん理工学部のビジネスデータサイエンス学科を目指してみるのもおすすめです。
読んでいただき、ありがとうございました!